今日は知り合いのオルゴールサロン・ヒロさんの所に時の音色さんと一緒に行って来ました。


12月にオルゴールとピアノ、声楽の本格的なコンサートを催されるのですが、使用されるポーター社のディスクオルゴールは10年来ほとんど掃除もしていないので事前に見て欲しいとの依頼で久しぶりにおじゃましました。


ポーターはアンティークではありませんが、アンティークディスクオルゴールで有名なドイツ、ポリフォン社がアメリカでの市場拡大のために作ったレジーナ社の流れを汲む現代のディスクオルゴールメーカーです。彼等は古き良き時代のレジーナ社の思想を忠実に受け継いでほとんど全てのパーツを自社生産しているらしいです。(そのため値段は高いですね!高級車が1〜2台買える!!・・完全に整備されたアンティークより高いかも・・)まぁ少しは我がサンキョーさんにも見習って欲しいと思います。


そんなわけで、私はポーターのオルゴールを触るのは初めてですし、もちろんきっちりした整備はできませんが、見える所の清掃くらいは問題なくできますので、その旨をオーナーのTさんに伝えてから出向きました。(Tさんは機械部分に触れるのも怖い!と言われますので・・・笑)


以下の物を用意して臨みました。


右から、刷毛、絵筆これらは毛が柔らかくて腰の強い物が最適です。次の3本はピンセットですが、右の平たいのはガーゼやティッシュペーパーをつまむのに便利です。真ん中の鋭いのはせまい場所等に絡んだ綿埃等を引っ張り出すのに最適です。
左のはアクションと動作が逆のピンセットですがこれが実は非常に使いづらい!(何で持ってるのか?・・これ、小さなビス等を整理する時等慣れれば便利なようです。)
一番左はハサミではありません。先端は少し丸みのある曲がったピンセットのようですが戻りのバネはなく、指掛けの付け根にラチェット式のロック機構があり、一定の力で摘んで手を離してもそのままの力を保ちます。細かいパーツを保持して組み立てる時等たいへん重宝します。


今回、一番活躍したのは中央のピンセットと2本の筆、刷毛でした。


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ポーター〈スワン〉108弁の心臓部です。片方54枚の一対の櫛歯とその間にスターホイール、その右側にディスク駆動用のスプロケットがあります。一番右のローラーの付いた棒はディスクをスターホイールに密着させるためのプレッシャーバーです。


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櫛歯やスターホイールの隙間の埃は筆や刷毛で払って掃除機で吸い取れば簡単に取れますが、スプロケット基部のピニオンギヤ周りに付いた綿埃は絡まっているのとピニオンに塗布されたグリスで固まって、ピンセットで丹念に取らないと取れません。最初はピニオンが埃で見えなかったのですが、このようにきれいになりました。


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10年分の綿埃を掃除してきれいになった(外観は何も変わりませんが・・・笑)ポーター〈スワン〉で「愛の讃歌」を聴かせていただきました。至福のひと時です♫。


Tさんにもきれいになった、音も心なしかクリアーに聞こえますと喜んでもらえて良かったです。


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ポーターの整備後、例によっていろんなオルゴールや音の出る楽器?で遊びましたがこの素朴なグロッケンシュピール(鉄琴)が何とも言えないクリアーで美しい音でした!鉄琴の素材もいいのでしょうが、下の箱をよく見ると形や各部材の厚み、そしてトーンホールの形状やその孔を半分塞いでいる鉄のプレートにも秘密があるようです!!
それに箱の材料にはきれいな目の詰んだ松材が使われていました。
ドイツ、ゾノア社(SONOR)の製品のようです。赤く塗られた子供用の鉄琴は見た事ありますが、これとは音質が全く異なります。(これもオルゴールサロンさんにはありました!笑)この素朴なのは初めて見ました。



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今日はとてもいい勉強になりました。 Tさん、ありがとうございました。