今日は朝からずっと雨との天気予報だったので工房はお休みして、祇園甲部歌舞練場の八坂倶楽部で開催されている「フェルメール 光の王国展」に行ってきました。




この展示会はフェルメールのオリジナルではなく、現在のデジタル画像技術で300年の経時による退色や失われた部分を修復した "Re-create" によるもので、そのために彼の37点の全作品を一度に見ることができます。


「本物」がいいことはもちろんですが、実際には彼が意図して描いた直後の物は誰も見ることができないわけですから、充分に史実を研究してリ-クリエイトされた作品はかえって真実に近い物を伝えてくれるのかもしれません。





実際にこれら全部のオリジナル作品を見ようと思えばアメリカ、イギリス、フランス、アイルランド、そして本拠地のオランダ等の美術館を回らなければ見られませんし、一部の個人所蔵の物は見られないかもしれません。
それを一カ所で全部見られて、しかもゆっくりと見られるので、有名な作家の展示会独特のあの順番に並んで後から押されて見て行く「ベルトコンベアー式」の「鑑賞」が大嫌いな私等には実に有意義な展示会であると思いました!



そして会場は祇園のど真ん中、八坂倶楽部ですから和室の畳敷きですがこれもリラックスして鑑賞できる要因の一つかもしれません。










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フェルメールの作品は室内に左側の窓から射し込む陽光によって作られる光と影の織り成す柔らかな表現が多いのですがこの「窓際で手紙を読む女」にとてもよく表れているように思います。


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彼の作品には小道具?として、よく楽器が登場します。


「音楽のレッスン」と題された作品にはヴァージナル(チェンバロの一種)と前景にヴィオラ・ダ・ガンバが登場します。


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ヴァージナルの蓋の裏にはラテン語で「音楽は喜びの友、悲しみの薬」と書かれています。


彼は青、緑、赤の三原色をすでに意識していたらしく、重要な藍色を描くのに当時、純金より高かったウルトラマリンブルーを惜しげもなく使っているらしいです。


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ギターを弾く女
珍しく右からの光ですが、これはスペイン風のバロックギターでしょうか?


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私の最も気に入っている「ヴァージナルの前に立つ女」
とても柔らかな光で、青と黄色のコントラストがすばらしい。(最も有名な「真珠の耳飾りの少女」もそうですね)


床と壁の境のタイルがおもしろいです。


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フェルメールはカメラの原点と言われているカメラ・オブスクーラを使用して立体像を二次元の平面像に上手く変換したらしく、初期の作品と中期以降の作品を比べるとその遠近法や光の処理の巧みさがよくわかります。
彼は芸術家であるとともに科学者でもあったようです。


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八坂倶楽部の建物の裏は庭園になっており、絵画を楽しんだ後は庭園を眺めて一服したり散策もできるようになっています。


今日は天気予報とは異なり日中は雨もほとんど降りませんでしたが、とてもゆったりした良い時間が過ごせました。


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