パイプの基部となる底板を3枚貼り合わせます。一番下(この写真では上)の板はパレットが付く板で、ウインドチェスト(ふいごからの空気を溜める空気室)の上板となります。


貼り合わせた時に3枚の板がずれないようにφ2の孔を2カ所開けて2mmの真鍮釘を差し込んで位置決めピンとします。


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接着剤を均一に塗り、クランプで圧着します。
位置決めピンがあるので強く締めても絶対にずれません。


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パレット(これにフェルトと革を貼って鍵盤を押すと該当のパイプに空気を送る弁となります。)を作ります。


材質は軽くて丈夫で変形しにくい物がいいので今回、榧(カヤ)を使ってみました。
先端のφ3の可動ピンが入るスリットを昇降盤で切りますが部材が10×15×150mmと小さいので安全に安定して切れるように端材のブロックで押さえながら切り込みを入れます。


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パレットの先端の中央に巾3.2mm、深さ15mmのスリットが切れました。


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反対側に支点となるピンが入る2.8mmの孔とスプリングの入るφ2の孔をフェンスを利用してボール盤で開けます。
フェンスを正確にセットすれば後はいくつでも同じ位置にきれいな孔が開けられます。
下の赤っぽい板は貫通孔の返り防止用の捨て板です。


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スリット側を斜めにカットして各角の糸目を取り、孔の面取りもしておきます。


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φ3の真鍮棒、φ2.6の真鍮釘をカットしてパレットのピンとステッヒャーを各18本作ります。


パイプ基部のパーツが揃いました。


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3枚のボードを重ねた上に各パイプが立ちます。
一番下のボードの裏に左のパレットを組込みます。
鍵盤は2番目のボードの上に支点があり、鍵盤を押すと真鍮のステッヒャー(突き棒・・・今4本差し込んでありますが、これが18本並びます。)が押されてパレットが下がり、パイプに空気が流れて音が出ます。


やっとオルガンらしき構造、形が見えてきました。


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底板の裏側にφ2.6×15mmとφ3×40mmのピンを各18本打ち込みます。
下穴はφ2.4とφ2.8で深さ10mmに開けてあるのでピンの頭がピッタリ揃います。
鍵盤を押すとステッヒャーがパレットを押し、パレットは短い方のピンを支点にして傾くのでスリットにウインドチェンバーの空気が流れてパイプが鳴ります。
パレットの中央の小さな孔にはパレットを押さえるスプリングの先端が入ります。


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