箱の前板、後板、側板を切り出して、規定の長さに合わせてペティワークで正確に45°に留め切りします。
スプルースの響板は以前に作ってあった在庫標準品を使います。


Img_4465


各板の内側に響板、アクリル板受け、天板のはまる溝を切ります。今回は昇降盤の平行ガイドを正確にセットしてフラットカット用のブレードで加工しました。


Img_4472


天板にも溝を切り、嵌め合いや収縮分のクリアランスを確認しておきます。



Img_4495_2



Img_4473



響板も同様に、特に響板は接合が緩かったり隙間があるとビビリが出たり、クリヤーな音で鳴ってくれませんから慎重に厚みを調整します。
嵌め合いの固さは樹種によっても微妙に変えます。硬めの響板はわずかにきつく、スプルースはもう少しきつ目、もっとも柔らかい桐の場合はさらにきつくしておきます。


自動カンナでではあっという間に削り過ぎてしまうので+0.3mmくらいに仕上げて、あとは手で削ります。


Img_4491


少しずつ削っては厚みを確認します。
サンドペーパーを使うと両端がどうしてもダレるので最後に#400をサッとかける程度にします。


Img_4492


寸法も重要です。繊維方向(横)はほとんどピッタリに、前後方向は収縮、膨張を考慮して−1mm程度にします。


Img_4489


基本的に響板は接着はしないので組立てる前にオイル塗装をします。ただし溝にはインシュレーターのつもりで少量の木工ボンドを塗っておきます。(タイトボンドは固まると硬度が固いのでこの用途には使いません。)


Img_4490


響板の厚み、寸法が仕上がったらゲージを使ってムーブメントの取付け穴をマーキングし、孔をあけます。


Img_4493


接着剤を塗って一気に組み立てです。クランプして一晩置きます。


Img_4499