ムーブメントをバラバラに分解して各パーツを清掃、磨きます。


まずスプリングモーターのバネを完全に巻き戻した状態とし、コーム(櫛歯)を用心深く外します。
このコームには位置決めピンが2本打ってあるので一応、安心です。


かなり硬度の高い鋼のようでスチールウールでこすってもぜんぜん傷が付きません。
黒っぽい斑点はいくらこすっても取れませんが、これは黒錆のようなのでこれ以上、進行しないと思います。
(現物は写真で見るよりもっと光ってるんですが・・・)
肝心の櫛歯が変形したりするといけないのでこの程度に留めておきます。


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コームの背面ですが鋳物のチャンネルが鑞付けしてあります。
アンティークでは普通なんでしょうか?初めて見ました。コームの位置合わせを簡単にするためですかね?


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低音部のトゥースの先端です。この細い湾曲した針金がダンパーです。
3本くらいがトゥースの先端とわずかにずれていたのでヘッドルーペを掛けてピンセットで修正しました。


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シリンダーの表面はやはりニッケルメッキでした。
黄色〜茶色がかった斑点は素材の真鍮ではなく、ひょっとしたらシリンダー内部に充填されているレジン(たぶん松脂)が溶け出した物かもしれません。初め、中性洗剤とぬるま湯を付けてブラシでこすったのですが取れなかったのでアルコールを少量付けてこすったところ、簡単に取れました。アルコールが飛んだ所は白っぽくなるのでやはり松脂のようです。
白っぽい残さは中性洗剤で洗い流し、ぬるま湯で洗って低温ブローで良く乾燥させました。(熱風を当てると内部の松脂が溶け出して悲惨なことになるので)


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スプリングモーター部です。


スパーギヤやバレル(香箱)巻き上げハンドル等は真鍮製と思いますが、これもメッキされています。


総じてアンティークメカの方が現代の物より各パーツの分解が簡単にできるように作られているようです。


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さて、ベースプレートですが、これは亜鉛ではなく鉄の鋳物です。


表面はたぶんゴールドの塗装が施されていたようですが当時の塗料が悪いためか金色がほとんど飛んでしまっているようです。そして、お世辞にもきれいな塗装とは言えないのですが・・・裏面には流れた跡があるし、端面は塗るのか塗らないのかはっきりせい!という感じ!!


中性洗剤を付けてブラシでこするとまだらに金色となりましたが・・・これは真鍮のワイヤブラシを掛けて、脱脂を行い、アクリルスプレーで簡易焼き付け塗装をしようと思います。


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裏面は鋳物の吹きっ放しで黒皮のままです。


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どこにもメーカー名やロゴマークが入ってないのが少々気になります。(普通はベースプレートかコームに誇らし気に刻印されるんですが・・・)
シリンダーやスプリングモーターの側面にはシリアル番号、またはロット番号と思われる数字が刻印されています。