アンティークオルゴールの蓋として、取り置いてあったサペリの板が今日チェックすると強烈に捩れていました!!
余裕を見て17mm厚必要なところを18.5mmに年末に挽いて平面を出してあったのですが、3mm近く捩れています。


これはちょっと面白い杢の板目材だったのですが・・・これでは蓋としてまったく使えませんし、まだこれ以上変化する可能性もあります。
平面を出すと15mm厚以下になってしまうので、さらに2枚に割って框組の枠を作ってパネルとすれば捻れはある程度止められますが、オリジナルの箱とは違った構造、外観になるので今回は使えません。


18.5mmに挽く前の35mm厚の時は安定していたのですが木工とは非常に歩留まりの悪い仕事です。


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仕方がないので2番目の候補としてストックしてあった柾目のマホガニーを蓋として使うことにしました。
このマホガニーは我が家のパソコンラックを作った時の残りで、たいへんおとなしい感じの柾目で全く狂いは出ていません。
箱の本体はサペリのリボン杢柾目なのでけっこう合うかもしれません。
下の写真は蓋にはまだオイルを塗っていないのでオイル仕上げをすればもっと濃い色になります。


写真、後のオリジナルの箱の蓋は100年以上の歳月にもほとんど狂いを生じていません!!
材料選びの的確さが表れています。(それにしては響板の選定には???が残りますが・・・)


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この構造の箱の場合は蝶番付けはいたって簡単です。
ポイントは本体側に彫る溝の深さだけで蝶番の厚さより0.1〜0.2mm浅くしておけばきれいに収まります。


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オリジナルでは鍵付のロック金具でしたが、アンティーク調の適当な物がないのでフック付の金具を付けてみました。
これはUSA製で真鍮ではないのですが鉄に古色の真鍮メッキが施されてなかなかいい感じです。ネオアンティーク調ってとこですかね。


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操作パネルと巻き上げ部の隔壁の両端本体の溝にはまる部分に革を接着しておきます。
ガタツキとビビリ音防止用です。これはオリジナルにはありません。


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蓋にもオイルを塗って乾燥中です。中蓋にはガラスが入りました。


蓋と前板のラインの象嵌はまた後日行うことにして、オイル仕上げが終われば一応完成です。


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