今日は工房仲間の蕎麦パーティの日です。急坂の途中にある名残りの紅葉を愛でながら足取りも軽くいざ、工房へ!
山の中は日照が短いせいか下界よりも遅いですが、ここのモミジは手前の高野槙のグリーンとの対比がとてもきれいです。
パーティ会場はここ、H工房の囲炉裏の間です。
囲炉裏の前に座っているのは座禅僧?ではありません。囲炉裏の炭をおこしてもらっている」Fさんの息子さんです。
いよいよ蕎麦打ちが始まりました。そば粉を水で練りますが水には長岡の名水?「馬の池の水」を使います。
http://www.city.nagaokakyo.lg.jp/0000004282.html
練った蕎麦粉を円形に伸ばしていきます。
円盤状になったらのし棒でさらに伸ばします。
ある大きさからは一方向に伸ばしますが一定の厚みに伸ばすのが難しそうですね。まず半分を均一に伸ばして、のし棒に巻き取り、反対側も同じように伸ばします。
力を入れすぎると蕎麦が切れてしまうし、均一に伸ばされていないと太さがマチマチの蕎麦になってしまいます。
蕎麦を4層に折り畳んで、いよいよ包丁で切っていきます。
どうしてあの一定の太さに切るのかと疑問に思ってたんですが、この「駒板」と称するジグを使うんですね!!
そして1カットした後、この巾の広い包丁を少しだけ左に傾けることによって次にカットする巾が自動的に決まるという理屈です。ジグ好きの私にとっては目から鱗です!
実は私も切らせてもらったのですが、何回か切っていくうちにだんだんコツがわかって来ました。
Iさんのようにリズミカルに早くは切れませんが駒板を押さえる力と包丁を傾ける力の微妙なバランスです。
そして蕎麦を切るまな板は平面度が重要であるとIさんが言ってましたがきれいに切るためだけではなく刃の全面がまな板に接していると包丁を傾けた時に駒板がきれいにスライドしてくれるというのがわかりました!
いやいやこの「駒板」なるジグが単なるジグではなく、この蕎麦切り包丁の刃の高さとうまくマッチして機能するとともに上手に使うためには左手、右手の力の掛け具合を会得しなければならないという実にアナログ的な(日本的な)面白いジグでした。
反対側から見た所です。力はいりません、軽く押せば包丁の重さでストンと切れます。
もちろん刃が切れることとまな板の平面度が重要です。
蕎麦を茹でるには十分な量のお湯と火力が必要です。
この布袋工房所有の寸胴鍋に18Lの湯を沸かしました。さすがに薪パワーは絶大でストーブの天板を外して直火で熱すると蕎麦を投入しても湯音は下がりません。
第一弾が茹で上がり、大量の水で冷やして、最後に冷水で締めます。
皆さん、無言で一心にすすっておられますがきっと旨いんでしょう!(笑)
あっ、左端のご婦人は遠慮しておられるのではありません。奥ゆかしいのでもなく・・・ただ単に囲炉裏の熱気が熱いので・・ということでした・・。
私の分が出来上がって来ました!
蕎麦の産地には特にこだわらない、重要なのは栽培している人の姿勢で、如何にその原料の良さを引出すかです。と言うIさんの丁寧に打ってくれた蕎麦はほんのりと緑がかって、細目のとても上品な蕎麦です。のどごしも最高で久々のおいしい蕎麦を堪能しました。
参加してくれたメンバーもとても喜んでくれてすばらしい一日でした。
Iさんどうもありがとうございました。
素人目には蕎麦切りが一番目に付くのですが、一番難しいのは丸く丸めたそば粉からあの正確な長方形に伸ばしていく作業でしょうね! 切れ端がほとんど出ないというあの見事さ!
ざるの件は私も囲炉裏端に置いたざるの下がまったく濡れないので不思議でした。
多分ざるが緻密に編まれているので蕎麦の水分は表面張力で編まれた竹の間に留まっているのではないでしょうか? せいろ蕎麦の場合はあのすだれ状の竹の間から水滴が落ちていたように思います。