昇降盤や丸鋸盤は直線をカットするもの・・・普通はそうなんですが、実は曲面カットや球面の切削加工もできるんです!
もちろんそのままでは出来ませんので専用のジグとそれなりの使用方法が必要となります。
下の写真は今回作った球面(凹面)切削用のジグです。
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アームの先端にM6のズン切りボルトを旋盤で加工したセンターサポート用の軸を付けただけの物ですがアームは加工の性質上、充分な剛性を持っていなくてはなりません。このアームは目の通った30mm厚の米松を使いました。
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まずセンターホールドピンがブレードの軸のセンターに来るようにジグを平行ガイドにしっかりクランプし、次にセンターホールドピンがブレードの刃の中心に来るように平行ガイドを調整します。
これでX軸、Y軸共ブレードの中心位置にホールドピンがセットできました。
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ブレードを下げて切削量をゼロにし、センターの裏にポンチを強めに打った材料をセンターホールドピンで締め付けて(材料が手で回せる程度に)ロックナットで固定します。ホールドピンの先端のテーパー部分が2〜3mm程度材料に食込んでいる事を確認します。
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ブレードを少しづつ上げて材料を手で回して切削します。
始めは切削量が少ないので一回の切削は1〜2mm程度でも大丈夫ですが球面が広がるごとに切削量は多くなるのでそれに応じてブレードを上げる量を少なくして行きます。
写真は中心部の深さが約3mmの時で4回目の切削が終わった所です。
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深さ9mmまで切削できました。コンパスで描いた円まで切削したかったのですが、この材料は厚みが12.5mmしかないので400mmのブレード(R200)ではこれが限界です。(裏のセンター穴がつながってしまう!)
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このテクニックはまったく丸鋸盤のセオリーに反した方法ですがアメリカの木工雑誌にはけっこう載っています。
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チップソーは通常、左右のケガキ刃とノミのように削り取るすくい刃の組合せで出来ています。この方法はケガキ刃の先端で斜め横方向に切って行きますから深い切削はできませんし、無理に深い切削をして万一引っかかった時は材料が吹っ飛んでしまいます。
どちらにしても横車を引くような使い方ですからあまり推奨はできませんがポイントをきっちり押さえれば思ったより危険な方法ではありません。
1)切削量は1mm以下、切削面積が増えて来たら0.5mmあるいはそれ以下にする。
2)材料の切削面は完全に平面が出ていること。
3)常にセンターホールドピンに弛みがないか注意すること。
4)良く切れるブレードを使用すること。

この方法で切削すると独特の放射状の面白い切削痕が残ります。
きれいな切削痕を出すにはセンターをピッタリ合わせる事と、材料を回す時に一定の速度で止めずに回す事です。
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