2015年03月
昨日の朝はその全日の雨の影響で霧がかかっていました。
菜の花畑も背後に霧がかかって幻想的な風景です。
日が射して来ると霧はすぐに消えてしまいましたが山の方はまだ霧に包まれています。
ユキヤナギが満開、桜はまだ3分咲き程度です。
いつもはうっとうしく感じる杉林も今朝は霧の演出でちょっと幻想的なたたずまいを見せてくれます。
霧が晴れるとレンギョウもあざやかに
黄色のチューリップが3輪、昨年より2週間早いです。
そして昨日は夕方から久々のコンサートホールへ行って来ました。
この日は「ヴィオラの花道」京響のヴィオラ奏者9名によるアンサンブルです。
実は長女からのコンサートの後のお食事付のちょっと遅い誕生日プレゼントです。
月曜日にもかかわらず、何とほぼ満席!
娘に聞くとコンサートマスターの小峰さんはファンクラブもある程の「スター」らしいです。納得・・・
普段は縁の下の力持ちのヴィオラがこの日は全員が晴舞台です。
小峰さんの渋いヴィオラの音色も良かったですが私は店村氏の ん、ヴァイオリンでは?と思わせる程の輝く高音域が印象的でした。
注文していたテーブルソー用のソーゲージが届きました。
これはソーブレードとマイターゲージの溝の平行度をチェックするもので、この精度はテーブルソーや昇降盤の命です。
いくらマイターゲージの角度を正確に調整してもブレードと溝が平行でなかったら正確な切断ができないばかりか、切断面が焦げたりキックバックを受け易くなったりします。
ソーブレードをできるだけ高く出し、マイターゲージの溝にソーゲージをセットしてブレードの一番手前にスライドさせダイヤルゲージの目盛りをゼロにセットします。
先ずソーブレードをゆっくり手で回してブレードのブレを確認します。
これは1目盛り(0.001インチ=0.0254mm)以内だったので充分な精度です。
ソーゲージを奥にスライドさせてダイヤルゲージの目盛りを見ます。
写真では8目盛り+なので8×0.001=0.008インチ(約0.2mm)だけ奥の巾が広いという事です。
一応許容範囲内ですが今研ぎに出している400mmのブレードを付けると計算値では0.26mmとなるので調整しておきます。
主軸のベアリングを固定している4本のボルトをメガネレンチで一旦ゆるめ、スプリングワッシャーが少し効く程度に締め直します。主軸のベアリング受けのブロックを玄翁で軽く叩いてダイヤルゲージの指針がゼロを示すようにします。
ソーゲージを手前にスライドさせてゼロであればOK、ずれていたらこの操作を繰り返して手前と奥の差がなくなるまで調整します。
4回の調整でブレードと溝の平行が出ました。
ベアリング固定ボルトをしっかりと締め付けます。
左側のマイターゲージ溝も右と同様に確認します。
こちらはぴったり合ってました。もっとも右と左で差があると調整のしようがありませんので諦めるしかありませんが・・・
この昇降盤のテーブルは左右の溝の平行度が精度よく加工されている事がわかりました。
次は平行ガイドの調整をします。テーブルを上げてソーブレードを引っ込め、ソーブレードの時と同様に平行ガイドの溝への平行度を見ます。平行ガイドの2本の固定ボルトをゆるめて手前は少し強めに奥のボルトはゆるめに締め直します。
手前と奥の指示値が同じになるように平行ガイドの奥の方を木ハンマーで軽く叩いて調整します。
調整ができたら2本のボルトをしっかり締めます。
このソーゲージを使うと非常に簡単に精度よく調整できました。 30分足らずで完了!
主軸は滅多にずれる事はないと思いますが、平行ガイドは常に側圧がかかり、まれにキックバックを受けた時等は大きな力がかかりますのでけっこう狂うようですがこれで気軽に短時間で精度よく調整できそうです。
ポイントはこのユニークで精密ななスライダーの構造にあるようです。
写真のように2ほんのピンを溝の両側に置き、その上にバーベル状の大きなピンを置き、ソーゲージを乗せます。
ソーゲージの裏には5本のV溝があり、溝と対象物の距離により使い分けます。
とても良くできた測定器です。ちなみに機構部品はすべてUSA製とマニュアルに強調してありました。(笑)
たしかにこのユニークなピン類はとても美しい旋盤加工がされていました。ダイヤルゲージは台湾製かもしれませんが、でも動きはとてもスムーズでバックラッシュもありません。
アタッチメントを使ってトースカンと組み合わせれば旋盤の調整や測定にも使えそうです。
ストッパーの穴位置が決まり、側板に穴開けとノブの座グリを加工してやっと箱部分の接着が完了しました。
響板と底板の取付け桟も溝に接着しますが接着面全体に薄く、均一に接着剤を塗ってクランプで固定しておきます。
オルゴールは接着不良や隙間があるとビビリ音の原因になったり、音質に影響するので手を抜けません。
接着剤の乾燥を待つ間に響板、底板の取付け穴加工と響板押さえ板を製作しておきます。
接着の完了後一晩おいて、目違い払いと外周、内周の面取りをします。
鉋の入らない入隅はノミで・・・
いよいよ、脚の接合です。クサビの先端の角を少し落とし、面を取って打ち込み易くしておきます。
はみ出した接着剤を良く拭き取っておきます。
接着剤が乾いたらホゾとクサビの突き出た部分を切り取ってノミと鉋で面一に仕上げます。
早速ムーブメントを取付けた響板を載せてみました。
至福の試聴の時間です!
座板も乗せて、響きを確かめます。これはウォールナッツバージョン、和胡桃の座板のバージョンも作ります。
座板を加工するために型紙を貼りましたがカーブが気に入らないのでほとんどフリーハンドで修正しました。
今日、突然ワタナベ機械さんから連絡があり、「桐の木使いません?」・・・「たまに使うけど・・・」当工房は電波状態が非常に悪く、携帯のメールでのやり取りなので、いまいち詳細がわかりませ〜ん。
しばらくすると今トラックでそちらに向かってるので・・・30分くらいして聞き覚えのある力強いトラックの音が・・・
ワォ、2t車に満載!!
聞いてみると廃業された桐たんす屋さんの倉庫を返すので整理中とのこと、まだ軽トラに2杯分あるらしい!
材は古くて良く乾燥しているので即使えます。中には何かを作るつもりで寸法を揃えてプレーナーを掛けた物もあります。
少しですが黄檗や桂、桑も混じっているようです。
私一人では到底使いきれませんので布袋さんにも使ってもらい、桐を使いそうな人にも声をかける事にしました。
量が半端ではないのでさしあたって雨のかからない置く場所がありません。とりあえずは桟木の上に山積みにしてシートを被せましたが、これは蒸れるので良い方法ではありません。個展が終わったら整理をして雨のかからない場所に保管しましょう。
椅子の外側からストッパーを操作するためのロッドの両端にM4のネジを切ります。
材料は150mmにカットしたφ4の真鍮棒です。
長いロッドにダイスで雄ねじをまっすぐに切るのは以外と難しく、最初の1ターンで平行度が決まってしまいます。
旋盤を使ってネジを立てると簡単に精度よく切る事ができます。
先ず主軸にM4ダイスをセットした4つ爪チャックを付けます。
芯押し台の方にはドリルチャックを付けて真鍮棒をチャッキングします。
芯押し台のロックはフリーのままで右手で主軸方向に押し込みながら主軸をゆっくり手で回転させてネジを切っていきます。(もちろん電気は使いません・・・念のため)
ダイスの刃にタッピンググリスをほんのわずか付けてマーキングテープの位置まで主軸を手で回してネジを切ります。
一回転すれば芯押し台は自動的にロッドに引っ張られて主軸側に動いて行くので軽く押すだけでOKです。
ダイスがよく切れていれば螺旋状の切り屑が軽快に出て来ます。
きれいなネジが切れました。
次はストッパーのロック部品をφ10の真鍮棒から作ります。
バンドソーで20mmに切断した真鍮棒の切り口をバイトで仕上げてドリルで穴が開け易いように中心を少し凹ませます。
次に突っ切りバイトで押さえバネの入る溝を切ります。(すんませーん、写真撮り忘れました。)
センターにφ4ドリルでロッドの通る貫通穴を開けます。
ムーブメントのストッパーレバーを押す部品を作りますが金属同士だと演奏中に共振すると不快な音を出すので黒檀の丸棒から作ります。
必要な長さは10mmですが4個分一度に作るので深さ55mmの穴を開けます。この後昇降盤で10mmにカットします。
部材が揃いました。押さえバネは実際に装着してみて長さや強さ、曲げの角度等変更の必要があるかもしれないのでとりあえず1枚を試作しました。
組み上がったニューストッパーです。
軸受けは硬い割に加工の楽なモアビです。(粉は刺激性があるのでマスク必携ですが・・)
今のところ調子良く働いています。
これでやっと箱の側板にストッパーの穴加工ができるので、その後接着ができそうです。
響板は今回2種類、胡桃と黄檗を使ってみました。
胡桃は260mm巾の板がありましたが黄檗はなかったので2枚接ぎとします。
ビスケットを用いて自作のクランプで圧着します。このクランプは裏表均等に締め付けられるので薄い板を接ぎ合わせる時に重宝します。板が8.5mm厚と薄いので反らないように両端を並行クランプで軽く締めておきます。
底板も同じ方法で作りますが、厚みが7mmしかありません。ビスケットの厚みは4mmですからこの厚さが限度です。
響板と底板を箱内法の実寸を測って切り出します。木目と並行方向の長さは収縮を考えて実寸−1.5mmとします。
響板には音が良く響くようにムーブメント取付け部の下を鋤き取り、取付け穴やネジ巻き用の穴を加工します。
標準品のストッパーは使えないので自分で作りますが、今回は回転式ではなくプッシュ/プル方式にします。
これはほとんどが金属加工となるのでまとめて明日の作業としましょう。
ホゾに割りクサビの溝を回し挽き鋸で切ります。この鋸刃の厚みが実にぴったりなのです!
ホゾ穴に手で強く押し込んでこの辺まで入るようにホゾを調整します。ホゾ組の強度に影響するので慎重に少しづつ行います。根気のいる作業です。(一枚ホゾなら簡単ですが・・)
南京鉋、小刀で脚の面取りをします。
底部の角の面取りはノミで
響板、底板を取付ける桟も角を糸目を取っておきます。溝に入る方は少し多めに・・これは溝に押し込む時に入り易くするのと接着剤の逃げ場を作っておくためです。
10mm巾の割クサビの在庫がなかったので今回、多めに作っておきます。
クサビは母材と同等かそれ以上の硬さの木で作ります。今回は水楢にしてみました。ウォ−ルナッツとのコントラストもいいと思います。
昇降盤のマイターゲージを2.5°にセットします。
長さ35mmにカットした10mm厚、240mm巾の水楢の板をマイターゲージを使って傾斜挽きしますが、厚みを一定に揃えるために平行ガイドに直方体のブロックを固定してこれを厚み方向のガイドとします。これで一回切るごとに材料を裏表逆にすれば、先端の厚み1.6mm(回し挽きの端の厚み)、角度5°のクサビが量産できます。
できました!約120本ありますが、音の椅子一脚で16本必要ですので3脚作ると半分近くなくなります。
もっと作れば良かった!
単調で地味な作業が続きますが、手を抜くと強度や仕上がりに大きく影響しますので、ただひたすら、削っては磨きます。
明日は組み立てられるかな?
野山のおるごーる仙...