2015年11月
ツリーが16枚できました。
樹種は欅、樺、サペリ、楓、栓、ウォールナッツの6種類です。
まだ外形の仕上げと外周、穴の面取りを行ってから表面を磨き、植木鉢のカリンかパドゥクを貼付けます。
その後オイルで仕上げて乾燥したらテーパーリーマで穴を所定の径に拡げてビー玉を打ち込みます。
打ち込むビー玉ですが、精度がいいとはいえ、多少のバラツキがありますので打ち込み作業をスムーズに行うために予め選別しておきます。
写真はコースターとクリスマスツリーの上部に使う公称12.5mmの玉ですが、ノギスで測ると12.12mmから12.60mmまでの分布があります。
特にコースターの場合は10mm厚の板の両側にビー玉が少し飛び出る設計ですから飛び出し量が一定でないと困ります。
同じ径のテーパー穴にした場合、許容できる誤差は経験上0.15mm以下です。
そこで、12.45〜12.60、12.31〜12.44そして12.30以下の3つに選り分けました。
在庫品の336個の内、12.45〜12.60が146個、12.31〜12.44が162個、12.12〜12.30が28個でした。
問題は大きい玉のグループに赤、黄色系の数が少ないことです。(ビンの中の小さいグループは28個の内13個が赤と黄色でした。)
昨日注文した中に大きめの赤や黄色が多いといいんですが・・・このままだとテーパー穴の径で調整しないとならないので、ちょっと面倒です。
それにしてもガラス玉をこの精度で(真円度も含めて)、この価格で作るのは大変だと思います。
余談ですがビー玉の語源はビードロ(ポルトガル語でガラスの意味)の玉というのが一般的ですが、昔のラムネ瓶の栓として使われた(16mmの玉)時に、寸法精度の許容範囲がプラスマイナス0.1mmでこれに入る物が“A玉、”外れた物を“B玉”と呼んでおもちゃ用に松屋町等で売ったからという説もあるらしいです。
現在の主な用途は工業用でガラスビーズと混ぜて濾過用とか液体等の撹拌用、建築用、インテリア、装飾等、目には見えませんが身近な所ではスプレー缶やペイントペンの撹拌用にも使われています。
先日、課題作品も出来たので、在庫がほとんどなくなってきたティアドロップコースターの製作に取りかかりました。
通常の作品を作るには長さが不足する板材から適当な物を選び出して厚さを11mmに揃えます。
木目の流れや色味により方向を決めて専用のテンプレートで墨付けと穴の位置をマーキングしてバンドソーで切り抜き、サンダーで外周を仕上げます。12種類の樹種で合計57枚できました!
と、ここまでは良かったのですが、穴開けを甘く見ていました。
1枚にφ14.3の穴一カ所とφ12の穴が5カ所で合計336カ所の穴開けです!!
φ12の穴を5カ所あけると1枚平均で2分はかかります。
樹種により開けやすい物、開けにくい物もあり、カエリ防止用の当て板も何枚かごとに交換しなければなりませんのでφ14.3の穴も含めると穴開けだけで3時間仕事ですね!(重ねて開けると微妙にずれるし、穴が深くなると切り子の排出が悪くなるので穴の内面が汚くなります。)
今日は午後から半日穴開けで終わりました。(笑)
本当はこれも切り抜く予定でしたが・・・今日は2枚だけ・・・夕方になると濃い色の木(特にウォールナッツ・・これは昼間でも見にくい!・・ウォールナッツの唯一の欠点ですね!)は墨線が見えにくくなり電灯光では影が出来てさらに見ずらいので明日の午前中に気合いを入れて切ることにします。
しかし、これも穴の数が1枚に9個、で16枚あるので合計144カ所です!
多軸ボール盤が欲しい!(そんな物はあっても通常は全く必要ないので無用の長物ですが・・・)
これだけ作るとビー玉の在庫が無くなってしまい、12.5mmのが足りません。
さっそくインターネットで注文しました。下の写真の箱は確か15年位前に松屋町のおもちゃ問屋さんで買った物だったと思いますが、500個入りです。
CAMELブランドは大阪の松野工業の製品で、現在ビー玉を製造しているのは同社一社だけです。今日注文したのがどんなパッケージで届くのか楽しみです。
ダイヤルゲージを使った手押し鉋盤の刃高調整ジグが完成しました。
使用した角材は直方体ではなく、上面に緩やかなカーブが付いていますが、これは機能に全く関係ありません。
ちょうど良さそうな寸法で目の通った桜材の端材がたまたまあったのでそれを使っただけです。
但し、下端は正確な平面になっていなくてはなりません。慎重に手押し鉋を掛けた後、手鉋で仕上げてあります。
先端のダイヤルゲージの取付部のアップです。
桜材の先の下端はプラス側も計測できるように1.25mm切り欠いてあります。
黒檀のシューも少し台形に削って、磨きをかけ、見た目と精度アップを量りました。
使い方は、まずアウトフィードテーブルの上でダイヤルゲージの指針に目盛り板を回転させて"0"に合わせます。
(ダイヤルゲージは基本的に絶対測定器ではなく、ある基準位置からの偏差を計測する測定器です。)
次にジグをスライドさせて黒檀のシューがブレードに当るようにします。
鉋胴を手で回してブレードが上死点に来たとき、ダイヤルゲージの指示が"0"であればアウトフィードテーブルと高さがぴったり合ったことになります。写真ではマイナス2目盛りですから2/100、つまり0.02mmブレードが低いことになります。
(この程度であれば充分に許容範囲です!)
今度はジグを手前に移動させて手前のブレードの高さを計測します。
計測値は11/100ですから0.11mmだけブレードの手前側が低いということです。
実用上はこの程度でも十分と思いますが、できれば5/100以内に収めたい所です。
収納場所も決まりました!!
注文していたダイヤルゲージ2個ととマグネットスタンドが昨日入荷しました。
これで¥6,000弱、ダイヤルゲージの単価は¥1,700ちょっとです。
昔、学校を出て就職先で機械工場に配属されましたが、ダイヤルゲージは貴重品扱いで、中に分厚いフェルトを貼った木の箱に納められて鍵のかかる測定器保管庫にしまわれていました!その頃は一個が給料で買えるか?くらいの値段がしたと思います。
購入した内の一個はマグネットスタンドに取付けておもに旋盤や回転機器の調整、精度管理に使います。
もう一個はちょっと改造をして手押し鉋盤のブレード高さ調整用ジグを作ります。
改造のために裏蓋を90°回して取付けるのでついでに中を覗いてみました。
メインのスピンドルとラック&ピニオン、精密ギヤと髭ゼンマイなど、昔と基本構造は同じですがエンプラ等の樹脂が随所に使用されています。しかし、これが¥1,700で出来るとはオドロキです。
鉋盤のブレードに当る部分は金属の点ではまずいのでスピンドルの先端に付いている巨大ボールペンの先のようなアクチエーターを外して黒檀のソリを取付けますがスピンドルに対して完全に直角でなければならないので慎重に穴開けをします。
これを完全に平面を出した60cm程度の板か角材に取付ければ完成ですが、使い勝手がよくなるように若干のトリミングが必要です。
昨日組み手を加工したフィンガージョイントを接着して専用の当て板をコーナーに当てて、ベルトで締めます。
フィンガージョイントやダブテイルはピンが板から0.5〜1mm突き出るので通常のベルトクランプのコーナー金具は使えません。この当て板はピンの突き出た部分を逃がすようにヌスミが切ってあります。また内側に梱包用のPPテープが貼ってあるのでボンドがはみ出しても大丈夫です。
留めで作った一台には飾り縁を接着してゴムバンドでぐるぐる巻きに締めておきます。
通常は対角線にクランプを掛けるのですが桐は柔らかいので角がつぶれてしまいます。
ゴムバンドはゆっくりじんわりと締め付けるので具合がいいようです。
もう一台は天板との接合部まで削ってアールを付けてみました。
底板はすべて引出し式で底板を抜いてティッシュの箱を入れる構造です。
ダブテイルの箱も接着中です。
底板にフォスナービットで指掛かりの凹を加工してカンナ掛けします。
今日は夕方から京・木工仲間のミーティングがあるので作業は3:30で終了、明日には接着剤が完全に乾いているので作業がはかどりそうです。
野山のおるごーる仙...