2016年03月
本体の蓋と実の切り離しが出来たので切断面の目違いを払って蝶番を付けます。
木製の蝶番は彫り込みもいらないので位置を慎重に合わせてネジ止めするだけ、超簡単です。
(蝶番を作るのがちょっと骨が折れますが・・・笑)
蝶番自体が足の役割も兼ねています。
上面の両側にラッチ金具を取付けます。
今回はスイングアームラッチ(掛け落とし)にしてみました。
この用途の場合、左側は左勝手の物が欲しいところですが、どこを探しても右勝手の物しかありませんでした。
本来の使い方は「掛け落とし」ですから扉等に縦に取付けて上からアームを落とし込む使い方をするようです。
それにしても左手用があってもいいように思うんですが・・・
ハンドルの取付け穴をボール盤で開けます。
M3のエンザートを埋め込むのでφ4.4、深さ8mmの穴を正確にあけます。
エンザートを埋め込む時、角がめくれないように穴開け後、面取りをしておきます。
エンザート埋め込み完了
ハンドル保持具をネジ止めし、3mmのピンをねじ込んでハンドルを固定します。
ピンの先端には5mmだけM3のネジが切ってあり、保持具の奥にもM3のエンザートが埋め込んであります。
うまく取り付きました。
金具やハンドルを一旦外して、全体の面取り等の仕上げを行い、オイル仕上げをします。
蓋の裏にはまだペンホルダーや名刺入れを付けなくてはなりません。
内面もきれいな杢の黄檗なので今回はコルクを貼らずにこのままの仕上げとするつもりです。
蝶番を組み合わせた状態でバイスに固定し、ピンを通す穴を開けます。
3mmのドリルで深さ50mmも開けると反対側で必ず曲がるので両側から半分ずつ開けますがそのためには反対側にも正確な位置に墨入れをしてセンターをマーキングしておく必要があります。
きれいに貫通しました!
3mmの真鍮ピンを差し込みます。
真鍮ピンを差し込んだままでトリマースタンドにV溝ビットを付けて表側に溝を彫ります。
ヤスリで丸く整えます。
ピンを抜いて裏側の角も丸く削り、最後はサンドペーパーで滑らかに整えます。
真鍮ピンとヤスリの間にあるのは先端をカットした2.7mmの釘ですが、これは蝶番からピンを抜く時の必需品です。
再びピンを入れて動きを調整した後、オイルを塗布して完成です。
ハンドルにも可動ピンの穴を開けますが必ずハンドルの形にカットする前に穴開けします。
ハンドルの形に成形してしまうと基準面が無くなるので正確な穴開けができません。
穴開けが出来たらバンドソーでカットし、スピンドルサンダーで滑らかにした後、トリマーテーブルでアールを付けます。
本体にも契りを入れました。明日まで置いて不要部分を切り落とします。
何の前触れもなく本体3台の組立てが完成です。
構造的にはいつもの箱と同じですから手慣れたものです。
今回は蝶番も木で作ります。
6mmのボックスジョイントのジグがそのまま使えます。
管となる噛み合わせ部分をトリマースタンドで加工後、必要な寸法にカットします。
ハンドル(把手)は衝撃に対する強度を上げるために3枚の木を貼り合わせます。
芯になる木は木目方向を縦にして付け根部分の割れに対する強度アップを図ります。
両サイドはウォールナッツとカリンの2種類、心材は粘りがあって強度の高い桜です。
蝶番を組み合わせてピンを入れる穴の墨付けをします。
ピン穴の位置と加工精度で蝶番の可否が決まりますので慎重に墨付けを行い、バイスに固定して穴開けします。
(慌てると失敗するので明日の朝に加工します。3mmのドリルで50mmの深さの穴をまっすぐ開けるのは実に難しいのです。)
取付け用の穴位置も墨付けしておきます。
だいぶ前(いつだったかな・・・?)にTさんから頼まれていたブリーフケース(アタッシュケース)の製作に取掛かりました。3台まとめて作ります。
私は作り出せばわりと早いんですが、それまでがなかなかでして・・・皆様にはいろいろとご迷惑を掛けていると思います。
材料は枠がウォールナッツ、サペリ、シカモアの3種類で表板と裏板には黄檗の突き板を貼った合板を使います。
突き板と言ってもこの合板は1mm以上あるきれいな黄檗が両面に貼られています。
ブリーフケースは今まで何度か作っていますが、同じ物では面白くないので今回は表板の意匠を少し変えてみます。
今回は3台とも同じ黄檗の合板なので、それぞれの枠に合わせた木でアクセントとなる象嵌を入れます。
特製のガイドを使って3mm巾と1/4"(6.35mm)巾の2本の溝をトリマーで彫ります。
こんな時に複数のトリマーがあると違う径のビットを装着してガイドやトリマーの設定変更なしで2本の異なる巾の溝が何枚でも正確に加工できます。(いや、3〜5枚が私には限度ですね・・・笑)溝の位置を変えるのはガイドとトリマーの間に適当なスペーサーを挟むだけで済みます。
巾の異なる平行な溝が掘れました。深さは2mm程度です。
反対側の角には30°の角度で枠と同じ樹種を貼付けます。
1/4"のビットで溝を彫って、残りをトリマーテーブルに付けたディッシュビットで欠き取ります。
切り込み過ぎを防ぐためにガイドとなるフェンスをクランプで固定しておきます。
3枚とも同じように溝と欠き取りのが加工できました。
象嵌する材を用意して巾や厚みを調整しておきます。
この時貼付けたり象嵌する材料の目を見てベースの黄檗と同じ順目になるように方向を揃えてマーキングしておきます。
こうしておくとカンナ掛けで逆目がおきる心配がありません。
接着後、不要部分を切り取って面一になるようにカンナとサンドペーパーで仕上げます。
枠の溝にきっちり収まるように昇降盤で段欠き加工をして仮組し、各部の収まり具合をチェックします。
左の1枚は接着の失敗でやり直したため、まだ段欠きが出来ていません。
野山のおるごーる仙...