毎日山ごもり

定年退職後、携帯電波の届かない山の工房に毎日こもって木工やオルゴール製作に没頭している仙人?のブログです。

2016年05月

毎日、山ごもり
定年退職後、携帯電波の届かない山の工房に毎日こもって木工やオルゴール製作に没頭している仙人?のブログです。

ややこしい名前

シカモア・・・この名前の聞いて思い浮かべる木はほとんどの人があのヴァイオリンの裏板やサイド及びネックに使われている美しい杢の出たメイプル(楓)だと思います。


ところが最近銘木屋さんで「シカモア」と称して売られている木にどう見てもこりゃあ楓じゃないだろうという木がありまして、板目面は少し赤味のかかった橡のように見えるし、柾目面には楓族には現れないレースウッドの様な斑点の杢があります。
(これはこれで、特徴的で、レースウッドのように焼けた感じもなく色白でとてもきれいで魅力的なんですが・・)


いろいろ調べてみると最近出回っているのはアメリカンシカモアでこれはカエデ科ではなくスズカケノキ族プラタナス科の木で学名のplatanusの英語読みがそのまま木の名前になったようです。
日本によくある「スズカケノキ」はモミジバスズカケノキという樹種でその葉っぱがモミジ(楓)の葉とそっくりな所から付いた名のようです。



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ちなみにモミジとはもともと秋に紅葉する樹木の総称でその代表的なカエデのことを意味するようになったようです。
また「楓」という字は中国ではカエデではなくフウ(マンサク科)のことでこの漢字が渡来した時は日本にはフウの木はなかったのでカエデにこの字を充てたようです。


で、問題のヴァイオリンに使われるシカモア(ヨーロピアンシカモア)ですが、これはメイプルの仲間のグレートメイプルやオオカエデ、ニセスズカケノキで正式な流通名は「ホワイトシカモア」らしいです。和名は「セイヨウカジカエデ」です。
ヨーロッパ中部から西アジアにかけて産出され、中でもフランス産の物が最高と言われています。
材の産出量や流通コストの面から日本にはあまり入って来ないと思われます。(国内で流通しているメイプルはほとんどが北米産でしょう。)


気乾比重は0.54〜0.63で、北米産のハードメイプルや日本のカエデ(0.67〜0.7)に比べてやや軽く柔らかい。


そしてまたややこしいことに中央アフリカ産の「サテンシカモア」という木もあります。(アカテツ科のシルバーハートという木の波状杢の出た物をサテンシカモアと呼ぶ)


《サテンシカモアの例》


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《波状杢の出たカエデ》


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《カエデの小箱》


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みんな、それぞれ美しい木ですから、本名で登場して欲しいもんです!


神戸探訪

今日はかねてからオルゴールコンサートをすることになっている私の妹分の時の音色さんの妹分であるKさんの花工房JOUERを訪問してコンサートの打合せに行きましたが、神戸方面に行くついでに以前から一度行ってみたかった竹中大工道具館にも立ち寄ることにしました。(どっちがメインや!とつっこまれそうですが・・・笑・・どっちもメインです。)


先ず、北神急行の新神戸駅で時の音色さんと待ち合わせて大工道具館へ
この一見入口らしくない佇まいの入口がいいですね。実はこれは自動ドアの表面に名栗加工された化粧板が貼付けてあるんです。


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エントランスを入るともう1枚自動ドアがあります。


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一階ホールには今月の企画展、「船大工」に関する独特の道工具や工法が展示、紹介されていました。
素材に同じ木を使っても家大工の使用する道具とはかなり違った物があります。


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地下一階には常設展の大工道具と木組みに関する資料やサンプルが展示されています。


下の写真は昭和18年に調査された本格的な家屋を作るために必要とされる大工道具179点の展示です。
安普請であっても最低限、72点は必要であったとのことです。


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これは蛙股組み(かえるまた)といわれる社寺仏閣等の建築の梁と組み物の間に使われる雑作でその形が蛙が足を開いたような形からきています。


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こちらは一般的な日本家屋の小屋組の構造と各仕口を示した物です。


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地下二階には鉋鍜治の不世出名工、千代鶴是秀の作品と彼の鍜治工房が再現されています。


明治、大正、昭和に渡って作られた彼の鉋刃にはその命名もさることながら、まるで魔物が潜んでいるような美しさがあります。
本来、鉋や鑿は消耗工具ですからよく切れる(名品)は大工や木工家達にどんどん使われていって、今、残っている物は数も少ないらしいです。


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彼の工房で使われたヤスリや銑、ゲージ等の道具も興味深い物です。


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竹中大工道具館は入館料、一般¥500ですがシニア(60才以上)はなんと¥200です!(笑)


大工道具館はいつまでいても飽きませんが、おなかも空いて来たので昼食を取って花工房JOUERへ向かいました。


花工房JOUERさんでのコンサートは詳細が決まり次第、またお知らせ致します。


旋盤用ジグ、アタッチメントの収納箱その2

枠の裏、表とも、接着のわずかなズレで生じた目違いをカンナで払います。


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合板の裏板を接着し、設置場所に置いてみました。
ここの床は水平が出ていないのでそれに合わせた下駄を履かさなければなりません。
いいかげんな工事をしておくと、こんなところにまでその影響が及んできます!(反省)


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収納箱の本体が出来たので扉の製作にかかります。


レイル&スタイルビットを使用してルーターテーブルで扉の枠を作ります。
(手前がレールビット、奥がスタイルビットです。本来はドアや窓枠用なのでもっと大型のビットですが、これはキャビネットや小箱用の小型の物です。)


枠に使用する板の厚みからレールビットの位置(高さ)を決定し、レールビットによる全ての加工が終了してからスタイルビットに交換して高さを合わせます。


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レールビットによる加工は短辺側になるため、安定して送れるようにマイターゲージを使用します。


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スタイルビットでの加工です。
本番の加工前に同じ厚みの端材を切削して先のレールと組み合わせ、目違いが出ないようにビットの高さを微調整しておきます。こうしておけば後の修正がほとんど不要となります。


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扉の枠組みが完成しました。


ビットの調整と材料の平面と直角さえ出ていればホゾ組に比べて超簡単です。
調整された一組の成形ビットを使うので接着面がぴったり合い、へたなホゾ組より強度的にも優れているかもしれません。


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レイズドパネルビットを使って枠に嵌めるパネル(鏡板)を作ります。
今回は扉を軽くするために杉を接ぎ合わせた物を使いました。


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パネルを仮組してみました。
明日はちょっとお出かけなので帰ってからゆっくり細部を確認して、接着するつもりです。


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桐の花

布袋工房さんの裏にある桐の花が朝日に映えて輝いていました。
この右横にはもう少し青みがかった藤の花もあるんですが、こちらは先週くらいで最盛期を過ぎたようです。


3日間雨が続いたので久々の晴天は空気も乾燥してとても気持ちがよかったです。


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旋盤用ジグ、アタッチメントの収納箱その1

旋盤横の作業台上に山積みになっているアタッチメントやジグをこれから訪れる高温多湿の環境から守るという大義名分の基、古いタモを製材して収納箱の製作に取りかかりました。


収納箱の設置場所はここしかないので必然的にこのスペースの寸法となります。(W:1200、H:750、D:150程度)


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扉を除く全ての部材の機械加工が終わった所です。


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仮組して溝の位置等に間違いがないかを確認します。


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3枚の棚板と中央の仕切板を接着


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次に天板をネジ止めし上部の仕切板を圧着します。


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底板を同様に固定して、枠組みの完成です。


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PROXXONのボール盤復活

35年くらい前から使っていたPROXXONの小型ボール盤ですが、ドライブベルトが切れてずいぶん前からお蔵入りしていました。


本体とベースはアルミダイキャスト製で小型軽量の割には丁寧で本格的な造りで精度も良く、木工の軽作業やプリント基板の穴開けには重宝していました。


オリジナルはウレタンゴムの平ベルトでしたが注文するのも面倒なので最近購入したウレタンのゴムロープで丸ベルトを作ってしまいました。


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プーリーは当然平ベルト用のタイコ状なのでプーリーを外して旋盤で丸ベルト用の溝を加工しました。


モーター側のプーリーです。丸ベルトの断面に合わせた総形バイトを作って加工すれば完璧なのですが、先端を少し丸めただけのバイトを使って手で送ったので少々段が付いています。


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主軸側のプーリーです。


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平ベルトの比べて伝達効率もいいような気がします。


PROXXONのシリーズはもともとホビー用で糸鋸盤は全くのパワー不足でこれはだめです。丸鋸盤もパワー不足ですが、薄くて柔らかな材料ならけっこう使えます。フライスは使ったことありませんが、これもパワーが足りないと思います。
それらの中ではこのボール盤が最も良いと思います。但し、加工径は6.5mmまでですね。


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おいしいタマネギ

工房の近くで畑もやっているHoさんから取れ立てのタマネギをいただきました。


そうです!先日の焼き肉パーティや天ぷらパーティでも話題になったおいしいタマネギです。


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早速、家で夕飯の一品にオニオンサラダを作りました。
鰹節を振りかけて、好みでドレッシングか醤油を少し垂らしていただきます。


少し流水にさらしておいただけで辛みが全くありません。噛み締めるとタマネギ独特の甘さが・・・うまい!!


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帰りがけに衣さやえんどうまでいただきました。Hoさん、ありがとうございます。またよろしく・・・笑


マイナスドライバー

自家製の頭の大きなマイナスネジに合うドライバーが市販品にはありません。
スローアウエイの自動カンナの古い刃を使って作ることにしました。


まずカンナ刃をグラインダーで適当な長さに切断して刃を殺してしまいます。
次に先端がマイナスネジの溝にぴったり合うようにスロースピードグラインダーで成形します。
柄は桜材の丸棒があったのでウッドレースで挽いてブレードの入る先端にバンドソーでスリットを入れ、回し挽き鋸でスリットを慎重に拡げます。(ブレードの厚みと回し挽き鋸の厚みがどちらも1.6mmでぴったりでした!)


ブレードをスリットにエポキシ系接着剤で固定し、固まったら鑿で余分の接着剤を削り取ってきれいにします。


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接着部分に凧糸をしっかりと巻き、補強します。


柿渋を塗って乾燥中、特に凧糸にはたっぷりと吸い込ませます。



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凧糸の端がほつれないようにボンドを塗っておきます。
柿渋が完全に乾燥したらオイルでさっと拭いて特製ドライバーが完成です。


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CDラック完成

底板を接着して、木ネジの穴をダボで埋め、オイルを塗って完成です。
欅は1回塗りでも充分な程の艶が出ます。
午後になって空気も乾燥して来たのでよく乾きそうです。


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美しき水車屋の娘

昨夜はカフェ・モンタージュへ、昨日のプログラムはシューベルトの「美しき水車屋の娘」です。


ミュラーの詩を元に作曲された名曲で全20曲で1時間ちょっとの演奏時間です。


粉挽き職人の青年の恋と失恋、入水を歌ったものですが、モンタージュの髙田さんが話されていた小川の意味合いも、当時のシューベルト自身の悩み等を考えるとう〜ん、なるほどと思わせるものがあります。


小川はドイツ語でBACHですが、冒頭、2曲目で小川よと問いかけ、また小川への感謝等、たびたび出て来ます。そして終曲では小川の子守歌「海が飲み尽くすまで、私のもとに横たわりなさい。やがて目覚めるその時まで」と締めくくります。


うーん、対位法と大BACH(小川)そしてシューベルト・・・


昨夜もすばらしい時間をいただきました。


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