昨日の18弁ウエーブボックス用のストッパーです。
このタイプは現在、すでに見ることはありませんが、30年以上前のルージュにはよく使われていたようです。
錘り式と言うのかシリンダー式と言うのかよくわかりませんが細いロッドに貫通した筒(シリンダー)状の錘りがオルゴール本体を傾けることにより、重力でシリンダーが移動してガバナの回転羽根の回転を止める構造です。
オリジナルではロッドには1mmくらいの鋼線が使われていますが1mmではロッドの先端からシリンダーが抜け落ちないようにするための加工が私にはできないので2mmの真鍮棒を使いました。
シリンダーも真鍮の5mmの棒のセンターに2.1mmの穴を開け、途中までは3.7mmのドリルで段付穴にしてあります。
2mmのロッドの先端には抜け落ち防止用のピンを打ちますが0.7mmのドリルで丸棒のセンターに開けるのは至難の技です!
しかし40年以上前に買ったこの0.7mmのドリル、すばらしい切れ味なんです。多分、出張の帰りに秋葉原のジャンク屋さんで見つけて買った物ですが10本セットでまだ7本残っています。
当時はオーディオをやっていましたからプリント基板の穴開け用にしか使っていませんでした。(笑)
ケースには「東芝タンガロイ」と銘打ってありますから材質はタンガロイ=タングステンアロイ、つまり酸化タングステンの超硬ビットなんです・・・良く切れるはずや!
当初、1mmのハイスドリルで開けようとしたんですがポンチを打っても刃先が逃げる、逃げるで2回失敗したあと、もしやと思ってこのタンガロイを使ったところ、ポンチなしでも一発でセンターに開きました!
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で、この小穴に打ち込むピンですが最初予定していた1mmの真鍮釘(写真中央)では太すぎるので在庫の0.8mmの真鍮ワイヤーを使いました。
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ワイヤーを適当な長さにカットして旋盤で掴み#400のサンドペーパーで摘むようにして磨り減らします。少々テーパーが付きますが打ち込むのにちょうどよいかも。
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ロッドの0.7mmの穴に入るようになりました。
これで10mmくらいの長さに切ってロッドに圧入し、両端が0.7mmずつ残るようにカットして磨きました。
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ロッドにシリンダーを通してから現物合わせで慎重に曲げたら、反対側の端を金床の上でハンマーで叩いて伸ばします。巾が5mmくらいになったら3mmの取付け穴を開けて周りをきれいに切り取ります。
これをムーブメントの櫛歯を留めている片方のネジを外して共締めすれば完成です。
写真はシリンダーが右に寄った演奏状態です。
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ムーブメントを左に傾けるとシリンダーが重力で左にスライドしてガバナの回転羽根に当たり、演奏が停止します。
見た目も楽しいし、ムーブメントを見えないようにした場合はちょっとミステリアスな感じですので小型のオルゴールにはとてもいい機構だと思いますが、これ作るの大変ですわ!
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 作ってから気が付きましたが、この取付け方ならシリンダーはガバナのカバーに当たって止まるので抜け止めピンは必要ないですね! そうすると取付側の鍛金加工から始められるのでロッドの曲げ加工がずいぶん楽になりそうです。