昨日ゆのんさんから預かったアンティーク風のオルゴール、さっそくバラしてみましたが全く動きません。この飾りのディスクを外さないことには18弁のムーブメントの診断ができませんのでどうすれば分解できるのかじっくり観察してみましたがそれらしき機構が見つかりません。
この飾りのディスクはダミーで回転するようになっているはずなのでその回転方向から考えるとこの中心の真鍮のキャップがもしかして左ネジ?・・・正解でした。おまけにディスクのハブにも左ネジが切ってありました!
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で、見事にバラバラに(笑)
ムーブメントの材質や作りを見る限りたぶん15年ほど前の製品と思われます。
しかしムーブメントはさておき、この飾りのディスクやそれを駆動するパーツは現在では考えられないくらい真面目に作られています!
まず、主要パーツは真鍮の旋盤加工、そして前述のようにディスクの真鍮のハブとそれをロックするセンターキャップには何と左ネジを切っているんです。
こんな飾りの細部にまで手を抜かない造りを見ると本当に嬉しくなります!
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ここからが肝心の修理作業ですがムーブメントが動作しない原因はガバナのウォームギヤにこってりとこびりついたグリース状の固化したオイルでした。ムーブメントを響板から外すと響板の表面にも油の流れた痕が残っていました。購入した後に不適切な注油をしたとは考えにくいのでゼンマイに塗ってあるグリスが何らかの原因で溶けて香箱の隙間から流れ出たものと考えられます。
ガバナの部分にはプラスチックやゴムも使われているので溶剤系の洗浄剤は使えません。プラスチックやゴムにも使えるCRCスプレーで洗い流し、ガバナのウォームギヤには固化しないテフロン系の潤滑油を極少量塗っておきました。
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飾りのディスクを回転させるクラウンギヤは駆動シャフトに圧入されていたようですが抜け落ちていたのでシャフトのセンターにポンチを打ってかしめました。
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クラウンギヤをカシメて固定したドライブシャフトをムーブメントに元通り取付けました。
もちろん、このドライブシャフトにも左ネジが切ってあります。
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響板を本体に納めて修理完了です。
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