国東行きが一日延びたので、今日は朝から我が工房のシンボルツリーであるクヌギを伐採することにしました。
最も一般的な伐採方法は追い口切りという方法ですが今回は工房の建物がすぐ横にあり、倒す反対方向に逃げ場がないので最も安全な追いズル切りという方法で伐採することにしました。
先ずチョークで受け口と追い口のラインを描きます。
受け口をチェーンソーでカットしました。切り込みは直径の1/3くらいです。
このラインで木が倒れる方向が決まりますので慎重にカットします。
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追いズル切りは最後にカットする追い口の部分を残しておかなければなりませんのでチェーンソーワークは難易度の高い突っ込み切りとなります。(私はけっこう突っ込み切りは得意ですのでよく使います。)
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左の少し残った部分が追い口となります。右側の受け口との縦の残った部分はツルと呼び、この部分が倒れる時に縦に裂けて蝶番のような役目をし、木がゆっくり倒れてくれます。中央のカットラインは反対側まで貫通していますが残った追い口部とツルの部分で木は安定してこのままでは倒れることはありません。
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貫通した切れ目に両側から楔を打ち込みます。
これは追い口を切る時にチェーンソーが挟まれて身動きできなくなるのを防ぐためです。
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予備作業が終わった所で布袋さんがちょうど来てくれましたので念のため木の高い所に結びつけたロープを引っ張ってもらっていよいよ追い口をカットします。
追い口が切れて突っ込み切りでできたスリットと繋がるとクヌギはメリメリと音を立ててゆっくりと予定した方向に倒れてくれました。大成功!!
ツルの所できれいに縦に裂けているのが写真でもわかります。
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基の直径が約28cm,
長さは6mですが二人でも片方を持ち上げることができません。
末の枝分かれした部分から順次玉切りして解体していきます。
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玉切りしたのを布袋さんが次から次へと割ってくれるのでむちゃくちゃ仕事が速い!
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切った株をチェーンソーできれいにしてあげました。
写真でツヤツヤに見えますが切った尻から樹液がにじみ出して来るんです。そして甘酸っぱい臭いに誘われてアリたちが群がって来ます。すごい生命力です!!
年輪を数えると27才です。青春まっただ中で終わってしまいました。ご冥福を祈ります。
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27年間の労をねぎらって布袋さんが工房にあったビールをかけてくれました。
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この通りちょっと寂しくなってしまいました。次は傷んだ屋根の修理をしなければなりません。
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お向かいのSさんの敷地にはこの木から落ちたドングリからの二世が育っています。
まだドングリは実らないようですがその内に実が成るようになるでしょう。
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