毎日山ごもり

定年退職後、携帯電波の届かない山の工房に毎日こもって木工やオルゴール製作に没頭している仙人?のブログです。

マニアック

毎日、山ごもり
定年退職後、携帯電波の届かない山の工房に毎日こもって木工やオルゴール製作に没頭している仙人?のブログです。

木製ヒンジ完成

蓋は切削量が少ないのでトリマースタンドを使います。
ここでも専用ジグが威力を発揮します。
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本体と蓋のヒンジ取り付け面の加工ができました。
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ヒンジに取り付け穴を開け、角を取って仕上げました。
なかなかハンサムなヒンジになったと思います。
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本体と蓋をきっちり合わせて固定しヒンジを取り付けました。
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後ろ姿もなかなかいい感じです。
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2台の挽きものオルゴールの形がほぼ整いました。
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木製ヒンジの製作

矢絣ともう一つ50弁用の山桜の挽き物オルゴールを製作中ですがこれらに使用する木製のヒンジを作りました。
まず5枚組の組み手を作って組み合わせた状態でヒンジピンの通る穴を開けます。
この穴あけの精度でヒンジがスムーズに動くかが決まるのでバイスにしっかり固定してゆっくりと慎重に開けます。
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真鍮のヒンジピンを挿してみて様子を見ておきます。当然ながらこの状態ではびくとも動きません。
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可動部分をヤスリとアクリル板に貼り付けたサンドペーパーで削ります。
ヒンジピンを入れて少しづつ動かしては当たっている高い部分を削っていきます。(写真では右下の白い丸の部分)根気のいる作業です。
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片側は93°くらいで止まるようにストッパーの段を付けておきます。
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二組のヒンジができました。
左はウォールナッツ、矢絣用で右はカリンの山桜用です。
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ヒンジを取り付けるために本体の後部をフライスで削って平面を作ります。
削る量は最大で5mmくらいですが上下方向の幅が50mmあるので一回の切削量は0.5mmくらいで少しづつ加工します。
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本体の取り付け面の加工ができました。
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金工旋盤の修理

以前から兆候はあったんですが昨年の秋についに金工旋盤がダウンしました!
原因はほぼわかっていてDCモーターの回転を制御するボードが不良なんですが商社に問い合わせるとかなり高額なんです。そこでネットで検索して使えそうなコントローラーを探しました。
旋盤のモーターはDC100V仕様ですが市販のPWMコントローラーはほとんどが40〜50V止まりで一機種だけ90Vまで使えるものがありました。
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まずは入手したコントローラーだけをモーターにダイレクトに接続して動作を確認後、コントローラー内のボードを外して寸法を確認しましたがサイリスタの放熱機が大きくて残念ながら旋盤の内部には取付けできませんでした。(放熱機が大きいのは容量の大きなサイリスタが搭載されているためで過負荷に対しては強いので安心なんですが・・・)
しかしコントローラーにはマニュアルも何も付いていません! 仕様では入力:AC110V、出力:DC24〜90Vで400W、旋盤とフライス盤のモーターは180Wなので最大電圧以外は十分に余裕がありそうです。主軸の最大回転数は若干落ちると思いますが通常の切削では最高回転まで上げません。研磨時のスピードが落ちる程度ですからまあ許容範囲です。
なぜか目盛の"40"のところにグリーンのLEDランプが付いていますがこれは何を意味するのか不明です。単なるパイロットランプなら電源スイッチにもネオンランプが点いてるのでいらないと思うんですが・・・値段が安いわりに品質はいいと思いますが英文でいいからせめて説明書くらい付けて欲しいですね。
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ということで旋盤本体のサイドカバーに外付けとなりました。
もともと機器取付用のユニットなので後ろの端子カバーも付いていません。
金属の切削クズも飛び散りますので端子カバーを取り付けて本体からの露出した配線にはプリカチューブを通して保護しました。
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調子良く復活しました!
スピードコントロールは本体側ではなく外付けのノブで調整します。黄色の"FAULT"表示ランプは新しいコントローラーには機能がないので動作しませんが正転/逆転切り替えスイッチや非常停止ボタンはそのまま使えるように配線しました。
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これで旋盤とフライス部分も元通り使えるようになりました。
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REUGE18弁オルゴールの修理

先日の木のかおり展の仲間のSさんがなんとか治りませんか?と持ってこられたオルゴールです。
上部のプレート(お皿)が回って演奏するタイプですがゼンマイの巻き上げが異常に固くて巻けません!プレートを半時計方向にゆっくり回すとオルゴールは鳴るんですが・・・。
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展示会の初日に所有者の方が来られて直接お話を伺いました。基本的にメーカー品の修理は受けないんですが直接お会いしてお話をいろいろ伺うとやはりなんとか直してあげたいと思うんです。ただし現在の30弁以下の新しい機種は修理のことなど全く考えて作られていませんので物理的に修理できません。

とりあえずケースからムーヴメントを取り外し、例によって櫛歯をまず外して各部の点検を行います。
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櫛歯は高音側の2本が折れています。
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シリンダーには損傷はないようです。
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ガバナは一応問題なく動きますが少し動きが渋い。
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さて1番の問題はこの香箱内のゼンマイと駆動シャフトの固定が外れて空回りし、ゼンマイの先端部が変形していました。
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ゼンマイを香箱から取り出して劣化した古いグリスを洗い流しました。
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駆動シャフトのゼンマイを固定するピンですが先端が欠損しています。
多分ゼンマイの巻きすぎで破損した時に反動でシリンダーが逆回転して高音側の櫛歯が折れてしまったものと考えられます。
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駆動シャフトのピンの部分にヤスリをかけてフラットにし、M2のタップを立てることにしました。
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タッピンググリスを十分に塗って慎重にタップを立てます。
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ゼンマイをM2ビスでシャフトに固定して香箱に元通り収めました。
ゼンマイが少し変形しているのと小さいとは言えM2ビスの頭の厚み分でゼンマイの有効巻き上げが減少しますがしかたがありません。
また高音側の櫛歯が2本ないために完全には復元できませんが優しい音色を奏でてくれるようになりました。(曲は南国のバラです。・・・プレートの彫刻はエーデルワイスだと思うんですが・・・これは20年以上前にどこかのショップで購入されたらしいですが多分ショップがムーブメントをリュージュ社から輸入して日本で作られたのケースに組み込んだものでは?と思われます。通常スイスで全部作られた場合、この種のオルゴールはロゴは"REUGE"ではなく"ROMANCE"のシールが貼られていることが多いんです。)
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FUJIオルゴールの修理第2弾-1

送られてきたムーヴメント、ゼンマイを巻いても全く動作しません。
目視ではどの部分にも損傷はなくゼンマイも切れていないのでオイル切れか内部に摩擦の多い部分がありそうです。
駆動部分の動作を確認するためには櫛歯を外さなくてはなりません。櫛歯を付けたままで行うと万一ガバナが正常に作動しなかった場合にシリンダーが暴走して櫛歯を破損してしまいます。
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櫛歯を外したムーヴメントの各軸受部分にごく少量注油してゼンマイを巻き上げシリンダーのギヤを手で回してみるとシリンダーが回り始めました。ガバナのバタフライも問題なく動くようなので分解修理することにします。
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ゼンマイが収納されている香箱とシリンダーをベースプレートから取り外しました。
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ガバナの各パーツは汚れもなく各軸受に注油するとスムーズに作動するのでこれ以上は分解しません。
バタフライが腐食していますが下手に外して磨いたりすると変形させてしまう恐れがあるので軽く油拭きするだけとしました。

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香箱内のゼンマイは油切れがひどいようなのでテフロン入りの潤滑剤をスプレーし、不要な滲み出た分を拭き取りました。
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香箱とシリンダーを元通り組み付けて動作確認後、櫛歯を慎重に位置調整しながら取り付けました。
軽やかにメロディを奏でるようになったのでムーヴメントの修理は完了です。
このムーヴメントは54、5年前に製造されたもののようですがこの頃のものは各パーツがネジで取り付けられているので簡単に分解できて場合によっては修理も可能です。最近の製品は櫛歯以外のパーツはカシメで固定され、さらにプラスチックが多用されて「修理」ということが全く考慮されていません。
最近はSDGsという言葉がもてはやされているのにこれでは言葉だけが一人歩きしてる感じで白々しく思うのは私だけでしょうか?
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さて、ムーブメントは修理が完了しましたが元入っていた箱に元通り取り付けなくてはなりません。
ところが元の箱にはサンキョー製の違う曲のものが(無理やり?)取り付けられていてオリジナルのストッパー機構が取り外されてなくなっています!
サンキョーのはストッパー機構は下部についたローレット摘みで操作するものですが箱の足に干渉するので機能していません! この余分に開けられた穴を埋めるのも結構手間のかかる作業です。
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Fujiオルゴールのこのシリーズに使われているストッパーは私が感心するもので最小の部品と巧妙な方法によるものですが現物がないので以前に修理したものの写真を参考にしながら作ることにしました。
しかし1.5mmの真鍮棒が在庫切れのため入荷するまで製作はしばらくお預けとなります。
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小屋の本

面白い本の紹介です。
まず、本の形・・・一般的な書籍の長方形ではなく上辺が斜めにカットされています!
こんな作りにくいであろう形の本は見たことないですね。
「小屋の本」という題名なんですがこの上辺の傾斜は屋根の勾配をイメージした形で、これは一寸勾配
一寸勾配とは一尺(十寸)行って一寸下がるという意味で建築の慣例から「尺」という言葉ですが基本的には比率ですから10%の勾配というわけです。道路の勾配表示では%、一方鉄道や水路では屋根や道路に比べて傾斜が緩いので百分率のパーセントではなく千分率のパーミルを使います。考え方は同じですがややこしいですね(笑)
線路側に数字が書かれた斜めの勾配標が立っていますが60.00と書かれていれば1000m進んで60m登る(または下る)勾配のことです。道路標識の場合は9%等と表示されていますので100m進んで9m登る(または下る)ということです。
三角関数のタンジェントになるわけですが・・・100%の勾配はtan1なので角度にすると45°、10%は約5.7°になります。ちなみに30°の傾斜はは勾配にすると57.7%、三寸勾配は16.7°となります。
前置きが長くなりましたがこの本の幅を測ると12.5cm、左辺と右辺の差は1.25cmだったので正確な一寸勾配でした!(普通測らへんやろ・・・笑)
屋根の勾配というのは建物を見た時のイメージはもちろん、雨水に対する防水性という点でも非常に重要なファクターで、一寸勾配というのはかなり緩い傾斜で雨水が流れやすい金属系のルーフィングでも一般的には最低限の勾配です。瓦屋根では三〜四寸勾配が使われます。最も書籍の形に四寸勾配を使うと本としては非常に扱いにくい(内部の構成も大変!)ものになるでしょうから一寸勾配はベストマッチですね!
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で、この本を開くと一寸勾配の切り妻屋根となるわけです。
おまけにきれいに開けられるようにこれは、あじろ綴じと言うんでしょうか?とても丁寧な製本がされています。
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この本は亀岡市内の農業用作業小屋を方々訪ね歩いてその写真と解説が書かれていますがその内容が実にマニアックで記事を読んで写真を見るとその小屋を建てられた人の人物像や好み、仕事に対する姿勢までもが見えてくるようでとても興味深いです。
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小屋の形による分類
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小屋を建てるテクニック、風景との調和、外見からのイメージによる分類
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そしてそれぞれの小屋に付帯する様々な工夫など
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その一例の扉のロック方法
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そして私の一位選出の小屋です(笑)
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当初、形と題名、装丁、製本に惚れ込んで買ったんですが内容も実にユニークで楽しみながら一気に読みました。(笑) 

ドローナイフ(銑)?

輪切り丸太の渋皮の部分をノミで叩いて削り取った後をこの右側の刃物で削ってきれいな面を出していきますがこの特殊な刃物は銑のようでもあり鉋の一種のようでもあります。
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ハンドルの角度によって鉋のようにも削れるし、ハンドルを寝かせればスクレーパーのような使い方もできます。ただし刃が食い込みやすいのでちょっとしたコツがいるようです。
刃の曲率が小さいので入角に近いところまで削れます。
昔、これを見つけてスプーンなどの凹面を削るのにいいかなと思って買ったのですがその用途には向きませんでした。(笑)
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なかなかユニークな形です。片刃ではなく両刃です。
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フランスの鍛冶屋の刃物らしくてハンドルにこのログが焼印で押されてるんですが・・・読めません!
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巨大マウス出現!

巨大マウス!?
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う〜ん、かなり大きいですがこれってPCで使えるの?
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実はこれ、マウス型の研磨パッドでランダムアクションサンダー用のサンドペーパーを裏面にこのようにセットして使います。
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本体は軽くて硬質の樹脂でできており、底面と側面の立ち上がりにベルクロテープが装着されているので一般的な5"(127mm)のサンドペーパーが簡単に貼り付けられます。
マウスのような形状なので狭い入り隅の部分などでも使えそうです。
持った感じや手触りもなかなかいいですがての小さい人には少々大きすぎるかもしれません。
パソコンでは使えませんので念のため・・・(笑)
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昇降盤の整備

昇降盤の刃口板を留めるビスのタップ穴がバカになり、だいぶ前から気になっていたんですが重い腰を上げて修理することにしました。タップの立ててある鉄板を前後反対にして立て直せばいいと思っていましたがいざ鉄板を外してみると・・すでに反対側にもネジ穴があったのでこの鉄板はもう使えません!
仕方がないのでフラットバーをグラインダーで切断して新しい取り付け板を作りました。
これで刃口板がしっかり取り付いてテーブルとの段差も綺麗に調整できるようになりました。
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ついでに各部の清掃、注油をしてブレードと並行溝のアライメントも確認しました。
アライメントの調整や確認にはウッドペッカーズのSAW GAUGEを使います。
350mmのブレードをテーブルから目一杯出してその手前側にダイヤルゲージを当ててメモリをゼロに合わせます。
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SAW GAUGEを後方へスライドしてダイヤルゲージの目盛を読み取りますが誤差はなくゼロのままでした。
たしか2年くらい前に主軸の軸受位置を調整しましたがそれから全くずれていませんでした。
このゲージはインチ仕様なので一目盛は1/100” つまり0.254mmとなります。
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左側の溝も同様に確認しました。
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溝のアライメントが確認できたので今度は左の溝を基準に並行ガイドの並行度を確認しておきます。
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一目盛強ずれていたのでボルトを緩めて調整しました。
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ブレードも研磨済みの物に交換したので切れ味を確認しました。
これは80mm厚の水目です。
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拡大すると回転刃の痕が少し残っています(右下がりの円弧)がまあこんなものでしょう。
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新兵器登場-製材室の集塵システム改良完成

ちょっと中断してましたがメガトンの集塵ケースの台を作りました。
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メガトンを乗せる台にはこのピンクの昇降装置が活躍します。
これは娘が子供の時に使っていた学習机の高さ調整機構です。しっかりした造りで注油すればとてもスムーズに動きます。調整高さは80mmですがこんなところで使われるとはコクヨさんも想定外でしょうね(笑)
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蓋のロックを外して昇降装置で下げればダスト収納箱が簡単に取り外せます。
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バンドソー用のシャッターをつけ忘れていたので取り付けました。
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ダスト収納箱を取り外す時はまず左右にあるロック金具を外してから昇降装置で収納箱を下ろします。
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装着する時は高さを合わせてからロック金具を元通りロックすれば完了です。
これでほとんど手を汚さずにダストの回収ができて切削クズの洗礼を受けることもありません!
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集塵システム全体の構成もすっきりとなり配管の流れも以前より急角度の部分がなくなったのでより集塵効率も上がると思います。これでひとまず落ち着いたので安心して創作作業に掛かれそうです。
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