毎日山ごもり

定年退職後、携帯電波の届かない山の工房に毎日こもって木工やオルゴール製作に没頭している仙人?のブログです。

マニアック

遊星ギヤのオイルがほぼ乾いたのでまだオイルを塗っていないベースプレートに取付けて接着します。
ベタ面の場合、接着剤を塗って圧着すると必ず接着面同士が滑ってずれてしまいます。これを解消するためにはキーやダボを入れるといいのですがキーやダボの両面への正確な位置へ加工するのはけっこう厄介です。量産する場合はジグを作れば簡単ですが、メカニズム達は全て一品生産ですので・・・
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そこで、真鍮釘をカットした位置決めピンを使う事にしました。
32mmの真鍮釘の径ががちょうど2mmなのでこれを使います。クリッパーで12mmにカットした尖った方を使います。頭の方は切断部をきれいに整えてハンドルやホイールの固定ピンに使いますので捨てる部分はありません。
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ベースプレートに遊星ギヤ本体とアーム支点軸受けの取付け位置を決めて2mm×深さ9mmの穴を2カ所づつ開けます。穴の位置は特に精度を必要としません。位置決めピンの尖った先端部分が3mmだけベースプレートから飛び出します。
接着剤を付けずに本体と軸受けを置いてクランプで押し付けます。クランプを外すと本体と軸受け側にピンの浅い穴が残ります。
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接着剤を均一に薄く塗って再度押し込み、クランプで圧着して一晩放置です。
位置決めピンのおかげで思いっきりクランプで締め付けてもずれません!
これで明日はベースプレートにオイルを塗れば完成です。
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遊星ギヤです。これでもう3回目くらいの製作ですが、各パーツの細部や組み立て方法等すこしづつ変わっています。
円形のT字スロットを切るために本体は2枚構造とし、表板はデイ&ナイトのイメージに合うようにブラックウォールナッツと楓を接合した板を使います。
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表板と裏板のセンターをピッタリ合わせてクランプし、木ネジで4カ所をしっかり仮固定します。
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ボール盤にしっかり固定してサークルカッターで表板の中心板をくり抜きます。
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7mmの溝巾になるまで表板をくり抜きます。
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4本の木ネジをゆるめて表板を取り去り、裏板に巾14mm、深さ8mmの溝を切って行きます。
サークルカッターのセンタードリルの穴が開いているので表板と同心円で溝がカットできます。
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Tスロットの溝が切れました。
先に作ってあった惑星ギヤのシャフト(シャフト径6mm、頭は12.5mmです。)を入れて寸法の確認をしておきます。
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加工の終わった3つのピースを接着すればTスロット付きの本体が完成です。
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接着剤を均一に薄く塗って、先ず仮固定用の木ネジを締め、クランプで固定します。
中心板にはφ6の真鍮棒を差し込んで接着します。これでセンターのバッチリ出たTスロットができあがります。
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昇降盤とバンドソーで輪郭をカットして本体がほぼできました。
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ユニバーサルジョイントとオルダムカップリング(ジョイント)が誕生しました。
どう違うかって? 
ユニバーサルジョイントは多分誰でも見た事があると思いますが?(見たことないって!) 
そうですね、昔の大型トラックなら横から見るとトランスミッションから後輪に動力を伝えるためのプロペラシャフトの両端に付いてるのが丸見えだったんですが・・・最近のトラックは(付いてるんですけど)見えないですね。
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乗用車も最近の小型車はほとんどFFですからプロペラシャフトがありません。 でも前輪を駆動するのにユニバーサルジョイントの改良型である「等速ジョイント」が見えない所で働いているんです。
要するに回転を伝えるための継ぎ手の一種なんですが駆動軸と被駆動軸に角度差があっても動力が伝えられる継ぎ手です。欠点は伝逹角度が大きくなると被駆動軸側の角速度が変化する事です。
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一方、オルダムカップリングは 工場等の大型据え付け装置等に主に使われる物で私も現物は見た事ありませーん。用途は駆動軸と従軸が平行ではあるが少しずれている時に用いられる物で・・・(基本的な設計不良じゃないの?)2枚の中央にキーの入ったクラッチ板のような物の間に両面に90°交差したキー溝を持つスライダーカップリングを挟んだだけの物です。面積の大きなキーで動力を伝達しますからかなり大きなトルクにも耐えられますが、なにぶん滑り摩擦を生じますので伝逹ロスが大きいのと高速回転には向かないでしょう。しかし、模型にすると動きがトリッキーで面白いのでインパクトがあります。
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今日はゼネバギヤと三角カムが誕生しました。

ゼネバギヤ(左)はスイスの時計職人が考案した事からジュネーブにちなんだ名を持つ機構です。
一種の間欠駆動機構であり、双方向性ではないので位置決め機構にもなります。
オルゴールに使われるゼネバギヤはスロットを一つ塞いだものでゼネバストップと呼ばれて、ガバナが故障した時のシリンダーの暴走予防やゼンマイの巻き過ぎの防止のために使われます。

三角カムは安定した動きをするカムで他のギヤ等と組み合わせて間欠動作等に良く用いられています。
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ここしばらく続いているメカニズムシリーズですが、同じパーツはほとんどないのでこれだけ作っても飽きないですね(笑)
スムーズな動きを実現するために加工精度は0.1mm単位、パーツによってはそれ以下に抑える必要があります。
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38mmのスパーギヤですが噛み合わせの調整をしなくてはいけません。
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これはホームセンター等に売っているU字溝のブロック?
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ではありません! 必要な長さに切り出して穴開け加工と整形をします。
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木製のユニバーサルジョイントになります。
しかし、これ磨くのたいへんそうやな〜!

それぞれ組み上がった時の事を思い浮かべながら黙々とパーツの製作が続きます。
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今回はポジティブアクションカム(確動カム)です。
通常のカム機構はカムフォロアを確実にカムに追従させるために重力やスプリングの力でカムフォロアをカムに押し当てますが、カムの回転速度が速くなると追従できなくなってきます。
この機構はカムの両側にフォロアとなるローラーがあり、2つのローラーは常にカムに接しているのでカムフォロアは確実にカムの動きに追従します。但しカムの形状はカムの中心を通る長さが常に2つのフォロアの間隔と等しくなければなりません。
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このメカニズムは異なる形状のカムを交換して違う動きが楽しめるようになっています。
メカニズムの裏側には異なった形のカムをストックできるようにしてあります。
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ハート形のカムを装着した状態です。
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裏側に掛けてあったレンチはカム交換用の専用工具です。
締めすぎると壊れる!ので柄を短くしてあります。(笑)
本当は指で軽く締めるだけで充分なのでレンチはいらないのですが・・・洒落です。
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このところメカニズム達の製作が続いていますがローラーに使う円柱の在庫が無くなってきました。
円盤や円柱を作る方法はいく通りもありますが比較的小径で平面側に木口を出したくない場合はプラグカッターを使います。ワークの下に捨て板を敷いてそのままボール盤でくり抜いてもいいのですが、せっかくくり抜いた円柱が以外と取り出しにくいんです。そこで必要な深さで止めて切削します。
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あとは昇降盤の平行ガイドを所定の厚さになるようにセットして切り落とせば、ポコポコと順番に円柱が生まれて来ます。
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下の写真は2種類の厚さの物を6個づつ作りました。下の段は12.7mm(1/2")です。
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平行ガイドを19mm(3/4")にセットして反対側をカットします。
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プラグカッターは元々木栓を作るための物ですがカッターの内面(円柱の外周面)は非常にきれいに切削できます。
ローラーにする場合は正確な中心に穴をあけなければなりませんが旋盤のチャックにセットして芯押し台側にドリルを掴んで開ければ正確な中心穴の加工ができます。
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高さを微調整できる平行ブロックです。
一つのブロックを中央で10°の角度でカットしてネジで押し、平行移動させて高さを変化させます。
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ネジで押した時にずれないように斜面の両側に溝を切ってサネを入れてあります。
上げるのはネジで押しますが下げる時は手で戻します。(ネジで下げる事も出来ますが機構が面倒になるので・・・笑)
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用途はこんな時に使います。
下の写真は今回製作したスチームエンジンのクロスヘッドのスライドウェイを動きを見ながら高さを微調整してバックプレートへの取付け位置を決めているところです。

この平行ブロックの調整範囲は33〜43mmですが足りない場合は上か下に平行の出た板かブロックを挟めばいろんな寸法に使えます。
テーパー角は10°なのでネジで押して上のブロックを10mmずらすと高さは1.76mm上昇します。(h=10mm×tan10°)
また使用したネジはM4なのでP=0.75mm、つまり一回転で上のブロックが0.75mm動きますから高さは0.132mm上昇します。
という訳で平行を保ったまま高さの微調整が簡単にできる優れものです。
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スチームエンジンの仮組み立てが完了しました。
調整が必要だったのはコの字型のクロスヘッドの取付だけでその他は一発でスムーズに動いてくれました。クロスヘッドはシリンダーとの並行度と右のエキセントリックの回転で生ずる並行運動の振幅から最適な位置に固定しなくてはなりません。

木製の可動部分のある模型では回転部や慴動部の公差やクリアランスに一番気を使います。穴の径や隙間を大きくするといかにも動きが安っぽくなるし、かと言ってあまりきつめにすると動きが固く、気温が上がると膨張して動かなくなってしまいます。また繊維方向を考慮して各パーツを木取らなければなりません。しかしいろいろな色味や特徴のある樹種を各パーツごとに使い分けるという楽しみもあります。このスチームエンジンには6種類の樹種を使いました。
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クロスヘッド、シリンダーとバルブロッド(上側)部分のクローズアップです。
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エキセントリックとバルブロッドを駆動するリンクアームのクローズアップです。
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いろんなパーツが出来て来ましたがシリーズを完成させるにはまだまだ作らなくてはなりません。
これらは気の向いた時にちょこっとづつ作っております。(笑)
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今日はコンロッドのアーム部分をフライスで鋤き取りました。
すき取らなくても動作上は問題ないんですが、見た目がぜんぜん違うんです。実にメカニズムっぽくなるんです。
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フライス加工の終わったコンロッドです。円の部分はノミ、小刀、ヤスリで整形します。
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