毎日山ごもり

定年退職後、携帯電波の届かない山の工房に毎日こもって木工やオルゴール製作に没頭している仙人?のブログです。

オルガン製作

前板には「Festina lente」 の文字を彫刻します。ラテン語で ”いそげ、ゆっくり” の意味です。
私の好きな言葉の一つです。


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側板は形が割と特異なので、下の部分にだけ装飾を入れます。
飾り罫を彫刻し、円の中に時の音色さんに絵を描いてもらうようお願いするつもりです。
もちろん、左右違う絵で・・・(笑)


こうすることにより円の外側はオイルフィニッシュ、内側は絵に適した下地や仕上げができます。


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今日は右側の側板だけ彫刻ができました。




私は彫刻があまり得意でないので集中してできません。最近、視力が衰えてヘッドルーペをかけないとどこを彫ってるのかわかりませんので(笑)それがとても疲れるのです!
それと今の季節だと3時頃までが勝負です。夕方になると光線が弱くなって、さらに見えにくくなります。


明日は朝からがんばって、もう1枚の側板と前板ができるかな?




ほんとうは集中して全てを一日で仕上げる方が私の場合はいいと思うんですが・・・一日経つと彫り方が変わってきてしまうのです。


彫刻専門の方は大作を何日もかけて同じ調子で彫り上げられますので凄いなあと感心してしまいます。




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彫刻前の写真とずいぶん色が違いますが場所、時間、光線の具合ですね。
本当の色はこの中間くらい、どちらかと言えば彫刻前の写真の方に近いです。


キーを押した時に当るストッパーに革を接着して木ネジで取付けます。


キーをいっぱい押した時にカタカタ音がしないようにと、操作感をよくするためです。


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キーを外してオイル仕上げ、一回目はキーをオスモカラー エキストラクリヤーにドボ浸けして拭き取ります。
一回目の乾燥中です。一晩置いてからフェルトバフで研磨して、今度はウェスに付けたエキストラクリヤーで拭き込みます。
表面がツルツルになるまでこれを繰り返します。



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この作業が終わると鍵盤とアクション部の製作は完了です。


シャープキーの側面を豆鉋で山形に削り、全ての角の糸目を取ってサンドペーパー、スチールウールで仕上げます。


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ナチュラルキーは軽くするために先端の50mmをトリマースタンドで裏鋤きします。
これで20%は軽くなる計算です。


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うん、なかなかいい感じになってきました。


この後、各キーは表に出る面をバフ研磨とオイル仕上げを何回か繰り返します。



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ナチュラルキーは11個で260mm巾が必要ですが、ちょうどいい楓は180mmしか巾がなかったのでシャープキーのない部分で3枚に分けて木取りしました。
鍵盤の図面を貼付けてc'〜f"の記号を書いておきます。(切り離すとわからなくなりますので・・笑)
ヒンジ(支点となるφ3の真鍮棒)の入る溝やフェルトで押さえる面の段欠きを昇降盤で切ります。
手前の見え掛かりの凹加工もトリマーテーブルで予め加工しておきます。


シャープキーは厚みが少し足りなかったので裏に4mm厚のカリンを貼付けてから溝加工と手前に30°の傾斜をトリマーテーブルで付けておきます。


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ナチュラルキーにシャープキーが入る部分の両端に昇降盤で切り込みを入れます。
加工高さが75mmあるので安定して切れるようにマイターゲージに特製のフェンスを作って取付けています。
フェンスと一緒にカットするのでカエリも出ず、ビビらないのできれいにカットできました。


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糸鋸で切り取り、ノミで仕上げます。
この後糸鋸で各キーに切り離します。切り離した後、キーの裏にもフェルトペンで音階を書いておきます。


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切り離した各キーの側面を定盤の上に置いた#240のサンドペーパーで慎重に摺って厚みを合わせます。根気のいる作業です。
厚みの揃ったキーを仮に並べてみました。


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ヒンジの部分です。
φ3の真鍮ロッドにキーに切ったU-溝が嵌っているだけです。フェルトを貼った板で上から押さえます。
各キーの間にはキー同士の干渉を防ぐため0.5mm厚のワッシャーを入れています。


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キーを押すとステッヒャーが押されて該当するパレットが下がります。
ヒンジの部分が心配でしたがけっこううまく思い通りにできました。
(アントレ誌の記事に載っていた方法ではキーの隙間が大きくなりガタも多くなるような気がしたので今回は自分なりに考えた方法で製作してみました。)


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各キーを押して引っかかりや隣のキーとの干渉がないか、操作感等を入念にチェックします。


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鍵盤とアクションの部分がだいたい完成しましたが、まだキーの微妙な高さ合わせや隙間の微調整、面取りと表面の磨きをしなくてはなりません。


シャープキーは太く見えるので前から見た形を台形になるように両側面の上部を削ることにします。


いやいや、楽器作りは大変ですが、これははまってしまいそうですね♬。(もうすでにはまってる?・・笑)


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アクション部分がだいたい完成したので、いよいよ鍵盤の製作にかかります。


鍵盤はパイプと並んでオルガンの「顔」ですから手持ちの材の選りすぐりの物を使います。
当初、古楽器のようにナチュラルキーに黒、シャープキーに白を使うつもりでしたが、見た目が重くなりそうなのでモダン楽器と同じようにナチュラルキーに白い楓を使うことにしました。あまり特徴のある杢では少々嫌味なので目の通ったおとなしい物を選びました。元の材は厚みが38mmだったので17mmに挽きました。
シャープキーには32mm厚のインディアンローズウッドを使います。黒檀等に比べると木目がはっきりしていますが、かえって面白いのではと思います。


どちらも傷や細かい割れがない部分だけを使いますので贅沢な使い方です。



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ついでに前板(ウインドチェンバーの前蓋となります。)も側板とおなじサペリの木目のきれいな部分で捻れや反りの出ていない物を木取りしました。
中央にラテン語で「Festena Lente」の文字を彫刻します。



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今日は午後からギャラリー翔へ共鳴箱を撤収しに行くので作業はここまでです。


昨日、パレットを押さえるスプリングが出来たので背板に底板と基盤を接着してオルガンの心臓部、鍵盤を除いたアクションの組立をします。



側板を接着してしまうとスプリングやパレットの動きを調整するのがやりにくいのでこの状態で行います。
しかし修理の時は前からしかアクセスできませんので専用のスプリング取付け/取外し用ジグを作っておかなければなりません。側板にもガスケットを入れて取外し出来るようにすれば簡単ですが構造が複雑になるのと、いちばんの問題は重くなってしまいますので、前板のみ取外しが出来るようにします。


パレットとスプリングが全部取り付きました。



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鍵盤を押すと対応するステッヒャーが鍵盤に押されてパレットが下がり、スリットを空気が流れてパイプを鳴らします。


1本ずつステッヒャーを何度も押して、引っかかりがないか、戻り具合や押す力(スプリングの強さ)のばらつき等を入念に確認しておきます。
スプリングの両端の曲げ角度や傾き等が不揃いだとパレットに捻れの力が働いてスムーズに動きません。
少しでも戻りの遅い物はスプリングを一旦外して角度を微調整します。


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背板の裏側の空気吸い込み口にフラッパーバルブ(ぱたぱた弁)を接着しました。背板全面にふいごが取り付きます。


ふいごを押さえた時にはフラッパーが空気の圧力で押されて閉まり、下の孔から空気がウインドチェンバーに送り込まれます。ふいごを引いて膨らませると負圧になってフラッパーが開きます。


ヒンジに革を使うのはノイズを発生させないためと気密性を保つためです。


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弱いバネでも18本もあると基盤と底板の手前の方がが少し開いてきます。
最終的に側板に接着する支柱を仮に立ててクランプで軽く押さえておきます。


側板や前板にはこの後彫刻等の装飾を入れるため、しばらくこのままで待機です。


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鍵盤の左右となる部分にわずかなアールを付けます。
豆がんなで大体の形に削ります。


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入隅の部分はブルノーズを外したチゼルプレーンが活躍します。(初めて実際に使いました!)
ノミで仕上げるよりずっと簡単にできてしまいます!! 仕上がりも一定できれい。


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微妙なアールができました。


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側板のトップの部分にもアールを付けてみました。


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側板に底板、基盤、背板を締結する木ネジの頭を隠すためのダボを加工します。
丸では面白くないので6.35mmの角ノミで深さ5mmの角穴を掘ります。
6.35mm巾の突きノミできれいに仕上げます。センターに2.5mmの貫通穴を開けて完了。



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ピアノ線が昨日入荷したので早速パレットを押さえるスプリングを作ります。
材質はSWP-A(JIS)φ1.5です。


鋼線を巻くのにちょうどいい物がありました。バンドー君の平行ガイドとして使っているL板にパイプを固定した物です。
パイプの径がもう少し細い方がいいのですが、まあいいでしょう。


L板の上にトラス頭の木ネジを埋め込んでピアノ線のストッパーとしました。
反対側の先をプライヤーで掴んでパイプに巻き付けます。


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スプリングバックでかなり戻りますが、とりあえずはこんな形に18本巻きます。


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いちばん下のが出来上がりです。


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スプリングが18個できました。
少々巻き具合の悪いのもあるので本体に取付けるまでに修正しなければなりません。


指の方のバネがかなり疲労したので修正は明日にしましょう。(笑)


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本体の底板に取付けるスプリング受けを作っておきます。
割と力がかかるパーツなので楓を使いました。


まずスプリングの先端が入る穴をφ2.3のドリルで18カ所開けます。穴の位置はパレットの相対位置です。
穴の位置を通るように深さ9mmの溝をバンドソーで入れます。バンドソーの刃の厚みは0.9mmなので、この溝を刃の厚み1.5mmの回し挽き鋸で拡げます。切った溝の巾が1.6〜1.7mmになるのでφ1.5のピアノ線がぴったり入ります。


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12mm厚に製材したサペリの材から側板、前板、ふいごの表板を切り出します。
後板は12mm合板ですが前から見える部分はサペリの化粧板を貼ります。


側板は左右で高さが異なります。裏面(内側)にウインドチェンバーとなるエリアを鉛筆で毛書いておきます。


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側板の内側には背板やパイプ基盤、底板等がはまり込む溝を昇降盤とトリマーで彫っておきます。
面倒ですがこうしておくと接着時にずれないし仕上がりやウインドチェンバーの気密性もよくなります。


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仮組して接合部の具合や直角度を確認しておきます。


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フルーパイプを立てて固定板の角度を決めます。
固定板は前列と後列のパイプの中間に最終的に取付けます。



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かなり具体的な形ができてきましたが側板の形等まだ切りっぱなしで単純に角張っています。
オルガンらしく、飾りや面取り、簡単な彫刻等を入れるつもりです。まだまだこれからです。


ふいごの内側に貼る三角板の面取りをして板と革の両側に革用ボンドを塗り、しばらく置いてから接着します。
接着したらフェルトを貼った木槌でまんべんなく叩いておきます。


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中央をくり抜いた5mm厚の側板を当てて革で包み込むように接着します。


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折り畳んだ状態です。圧力を加えればもっと、ペっちゃんこになりますが、革がまだ硬いので戻ってきます。


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右はオルガン本体の裏板兼ふいごの後板で空気吐き出し口と吸い込み口(大きい方)の穴があります。
吸い込み口にはフラッパーバルブが付きます。


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後板にセットしてフラッパーバルブとの干渉具合等を確認しておきます。


ふいごの表板(パフパフする方)は本体に取付後、バランスを見て現物合わせで作成します。


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